「24 -TWENTY FOUR-」は時代を反映する鏡! 新作「レガシー」で描く“今のアメリカ”は・・・

(YouTube 24: Legacyより)

2001年11月の放送開始以来、世界中のファンを魅了してきた「24 -TWENTY FOUR-」。リアルタイムでストーリーが展開していくその画期的なスタイルが話題となったが、放送当時の世相を反映したそのストーリーも、視聴者を惹きつける大きな要素だった。

9.11テロの2か月後に放送スタート

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件のわずか2ヶ月後に放送が始まった「24 -TWENTY FOUR-」。事件の影響を考慮し、番組が打ち切られる可能性もあったが、放送が始まってみれば、多くの支持を獲得。主人公ジャック・バウアーやCTUがアメリカを脅かすテロ行為に立ち向かうストーリーは、9.11後のアメリカが抱いていた感情を反映していたと言えるだろう。国を守るためなら手段を選ばないジャックの姿は、多くの国民の目にヒーローとして映った。

現実とドラマがリンク

リアリティに裏打ちされた「24」のストーリーは、その後のシーズンにも引き継がれる。「24 -TWENTY FOUR-」では、ジャックが情報を得るために無慈悲に拷問をする姿がよく描かれるが、ブッシュ政権時、国家を守るという目的のもと、情報を得るためにテロ容疑者に対し水責めなどの拷問行為が実際に行われていたという(※)。米国がテロリスト被疑者を収容していたグアンタナモ収容所のスタッフの中には、「ジャックの拷問からアイディアを得た」者もいたと当時伝えられたほどだ。(Vanity Fair) そして、世界情勢の変化と共に、番組内の敵も変化していった。それだけ、現実とドラマがリンクしていたと言えるだろう。

ジャック・バウアーは、国民を守るために何でもする男であり、国民を守るために自ら犠牲となることを厭わない。シーズン6では中国政府によって拉致され、20か月にわたり拷問され続けたが、決して口を割らなかった。ジャックがいればアメリカは守られる。日々テロとの脅威の中に生きるアメリカ国民は、ジャックの強さに安心感を得た。

※2009年に就任したオバマ大統領は、それらの拷問行為を禁止している。

「24 レガシー」はトランプ政権下の米国を反映!?

そして2017年、キャストを一新して新たに放送スタートした「24 -TWENTY FOUR- レガシー」は、これまでのどのシーズンよりもタイムリーな内容だと米Dealineはレビューしている。

大統領就任後、トランプはブッシュ政権時に強い非難を浴びた水責めの拷問を「効果的」と容認する発言をした。そして、番組放送直前の1月末、イスラム圏7か国からの入国を禁止する米大統領令を発令。米国内の世論は、同大統領令を巡って大きく2つに意見が分かれたのは記憶に新しいところだろう。

「レガシー」では、国外からやってきたテロ分子たちを、テロ組織が動かしていく様子が描かれる。米GQ誌は「大統領選でトランプが訴えてきた排他主義(アメリカ・ファースト)」を彷彿とさせるものだとしている。

一方で米Slateは、主人公が白人から黒人となったこと、主人公カーターの妻が有能な女性であるなど、リベラルな側面も持ち合わせていると指摘。ジャック・バウアーが主人公だった頃と比べ、人種や男女間の格差問題がより大きくクローズアップされる今だからこその設定と言えるだろう。

このように常に放送時の世相や国際情勢をビビッドに反映してきた「24 -TWENTY FOUR-」シリーズ。最新作「レガシー」は、現在のアメリカを今後どのように映し出していくのだろうか。