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日本で唯一の表情分析アナリスト、工藤 力先生に聞く微表情学の世界
人は10分の会話で3回嘘をつく-- 日本で唯一の表情分析アナリスト、工藤 力先生に聞く美表情学の世界
〔微表情学とは〕
人間の表情のなかにはフラッシュのように瞬時に表れて消える0.25秒以下の表情があり、これを“微表情”と言います。他人の心中を察する場合、鋭い対人的感性が求められますが、微表情を読み解 くことはそのために不可欠な「社会的スキル」になっています。誰かがある感情を隠そうとしても、それは微表情に表れてしまうからです。このドラマのテーマにもなっている「嘘」を例に取れば、次の3つの感情のいずれかが心に生じていれば、表情や動作、目つきなどのチャンネルを通じてそれは表に表れます。見破られるのではないかという恐怖心、悪いことをしたという罪悪感、だます喜びという3つの感情です。ただし、この3つの感情いずれもが心の中に生じていない場合、手がかりがないため嘘を見破ることはできません。欺き手に良心の呵責が欠けているケースがこれに当たります。

微表情で読み取れる感情には、恐怖、怒り、軽蔑、嫌悪、悲しみ、驚き、喜びの7種類の感情があります。これらの感情は顔の表情だけで読み取れるものです。微表情学の訓練用ビデオでは驚きの表情から始まる56の顔の表情が連続して瞬時に呈示され、それを即座に解読することが求められます。このビデオは最低でも100時間は見る必要があるとされています。また、微表情学のマスターに直接役立つわけではないですが、しぐさや表情を含む「人間観察力」を育む上で有力な視点を与える社会的知能指数:SIQ(Social Intelligence Quotient)という技法もあります。これは対人的感性を高めるスキルの習得に格好の教材を提供してくれます。SIQの技法についてはD・アーチャー著「ボディ・ランゲージ解読法」(誠信書房 ¥1800)に詳しい。
〔微表情学の現在と可能性〕
微表情や微動作については主に医療の分野や外交交渉の場で、嘘の発見の手がかりとして活用されています。もちろん、福祉やカウンセリングなどの対人接触の分野でも、クライアントの気持ちを察する有効な手法になっています。また犯罪の尋問にも使われています。このドラマでは、調査対象との面談の場面で相手の真意や真実を知りたければ、ただ漠然と人と接するのではなく、まず状況設定を入念に工夫しておくこと、その上で相手の心に響くような問い掛けを練り上げて対応することが、真実を吐露しやすくなる条件であることを繰り返し強調していたように思います。もちろんドラマならではの演出的な部分もありますが、この点の必要性と重要性がリアリティを反映していたように思われます。私自身、日本でも微表情学を積極的に活用されることを期待しています。微表情学を学ぶことで、第三者の立場から人や物事を客観的に見ることができるメタ認知が形成されますが、メタ認知を鍛え自己を的確にコントロールすることができれば、仕事面ではミスを減らし、発想力を豊かにすることにもつながります。また、表情やしぐさの意味を解読できるようになると、相手が誠実な人かどうかを見分けられ、誤解をせずに済むだけでなく、悩み多き人に対して共感しやすくなり、思いやりの心を持って人を許せるような人間の幅が広がります。微表情というのは、国籍や文化的背景には関係ない人類共通のものです。(しぐさは別)すなわち、微表情を読み解くことは世界を舞台に活躍する国際人に必須の条件とも言えるでしょう。
人は10分の会話で3回嘘をつく-- 日本で唯一の表情分析アナリスト、工藤 力先生に聞く美表情学の世界
微表情とは0.25秒以下で表れる表情なので、訓練をしていない者がそれを瞬時に読み解くことは難しい。とはいえ、いくつかの表情の意味を知っていれば、実生活に役立つこともあるでしょう。
〔喜びの感情の場合〕
本心からの喜びは水平に広げられた口と目じりに出来る横じわを伴うが、それが4秒以上示されると作り笑いとなる。 また笑ってごまかす偽りの微笑みには目じりの横じわがなく、上まぶたが下がることによる細目も見られない。 これを注意して観察していれば、家族や友人、恋人がどんな時に喜びを感じるのかを的確に判断できるようになり、コミュニケーション・スキルの向上に役立つはずです。
〔他人の嘘を見破る方法〕
これは表情よりしぐさや行動に注意を向ける方が、一般的には分かりやすいでしょう。 例えば都合の悪いことを指摘された場合に、急に怒り出す人物は追求を逃れようと怒りを装っている場合が多い。 精一杯虚勢を張り、ごまかし通そうとする心理が表れるためです。
〔誠実な人物が嘘をつく場合〕
瞬きの多さも注意すべき点です。 その良心の呵責から瞬きが増えるため、欺瞞の手がかりとなります。 これは相手の質問に対して嘘の答えを練り上げ、情報処理による判断終了後、何秒かして目を集中的にパチクリさせるからです。 特に子供にはこの傾向が顕著に見られ、目を閉じた所作なども代表的な嘘をついたときの表情と言えます。 一方大人の場合、目線を下げたり、下を向く所作が増えます。 下を向くという動作は罪悪感を示すサインであり、こうした挙動は無意識的に行う行為のため、嘘を見破る手がかりとしては有効的なものだと言えるでしょう。
またいずれの感情にしても、人間は感情を司る右脳の働きで顔の左側に感情が出やすく、強く表れる傾向があります。これを意識して相手の顔の左側よく観察すれば、その人物の感情を読み解く大きな手がかりとなるでしょう。
FOXチャンネルウェブサイト tv.foxjapan.com より一部抜粋。
表情分析アナリスト 工藤 力氏 プロフィール
横浜市出身。文学博士。1969年、東京都立大学大学院博士課程を中退。
東京大学文学部研究員、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部精神科客員研究員を歴任し、ポール・エクマン博士の研究チームに在籍。
日本で唯一表情分析アナリストの資格を持つ。現在学習院生涯学習センター講師。