キミは日本語吹替の魅力を知っているか?実力派声優が魅せる【吹替】の真実を堪能せよ!

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PICK UP #18 『吹替の名盤』特集第2弾 吹替はコメディを楽しむためのスーパー・ツール!? その奥深い世界に迫る! by Siringo

 「吹替の名盤」コラム・シリーズ第2弾はコメディ映画5作品を紹介。暴論覚悟で表明するが、「吹替というものは、コメディを最大限楽しむためのもの」と言っても言い過ぎではない。笑いの文化の違いは思ったよりハードルが高く、アメリカ人が爆笑するギャグが、日本人にはなんのことか理解できないなど日常茶飯事。そしてまた逆も真なり。「なんでこんなのが面白いの?」とお互いに感じているわけである。そんな笑いの間に横たわる文化的ギャップを埋め、両者の橋渡しをするのが吹替なのである。字幕だと文字数が原因で十分にニュアンスが伝わらない。うまく意訳ができても、聞こえる原語の台詞が少しでも理解できると、意訳に気付いてしまって興ざめする場合もある。だが吹替版なら、原語を消してしまうので意訳をしても気になることはない(極端な時事ネタや日本ならではのネタ以外は)。
さらに、コメディ作品は、画面上のアクションや登場人物の動作や表情も、笑いにつながる場合が多いので、字幕に気を取られてしまうと、笑いのツボを見逃すこともある。コメディを楽しむためのスーパー・ツールこそ、吹替なのである!

『アパートの鍵貸します』キンキンはレモンの顔芸にどう挑んだのか?

アパートの鍵貸します
 ビリー・ワイルダー監督の常連でもある主演のJ・レモンの声は、彼の声のFIXの“キンキン”こと愛川欽也。若い世代には司会業や俳優業の印象が強いと思うが、80年代前半までは、洋画や海外ドラマの吹替えで大活躍していた。声の仕事も非常に達者で、コミカルなキャラクターから極悪非道の悪役まで、自在にこなしていたのだ。本作の吹替版を観ても、決してお茶の間でおなじみの“キンキン”の顔は浮かんでこない。
注目していただきたいのは、レモンの顔芸にピタリとはまっている、愛川欽也の演技力。「この表情だから、この声が出ている」と観ている誰もが納得できる、素晴らしいシンクロ具合である。吹替の収録の現場でよく見る光景のひとつに、声をアテる向こうの俳優と同じ動きを声優が(小さく)行うことがある。つまり、自分の体を動かして、相手と同じ演技をトレースすることで、より向こうの俳優に演技を近づけるのである。恐らく、本作の吹替収録の現場で、愛川欣也は画面の中のレモンと同じくらい表情を動かしながら喋っていたのではないだろうか。「画面の中の俳優が、本当に日本語を話しているように聞こえる」という吹替版の理想を実現している、稀有な名盤といえるだろう。

『七年目の浮気』定番の向井モンローとからむ声優は、意外な配役。

七年目の浮気
 有名な舞台劇をビリー・ワイルダー監督が映画化。本作の地下鉄の通気口の上に立つモンローのスカートが浮き上がるシーンは、彼女のアイコンのひとつになった。妻子が長期の休暇に出かけて羽を伸ばそうとしていた主人公(トム・イーウェル)が、上階に住む美女(マリリン・モンロー)に魅かれ、口説きおとそうと躍起になるコメディ。
M・モンローの声はFIXの向井真理子だが、この映画でのモンローの天然な役柄を、甘ったるい台詞の節回しでさらに膨らませている。「モンローって、こういうイメージだよね」というものを、本作は吹替で定義つけたと言ってもいい。その鉄壁のモンローと声でからむのは、島宇志夫(T・イーウェルの声を担当)。悪役や冷静な役の声をアテることが多い彼が、全編しゃべりっぱなしで、ボケをかましまくるはじけっぷり。大胆な感情の起伏と、みごとなまでの滑舌には思わず聴き惚れてしまう。特に、本編の92分30秒あたりからの、妻に射殺される妄想のシーンは、細かい声の芸の集大成ともいえる名シーン。脇の小林修、雨森雅司などコメディが得意な声優たちも個性的な声の演技を聞かせてくれる。なおナレーションは、原語ではT・イーウェルなのだが、本吹替版では、三遊亭圓楽(五代目)が担当している。

『紳士は金髪がお好き』“吹替界の飛び道具”広川太一郎は、昔から飛ばしまくっていた。

紳士は金髪がお好き
 ニューヨークのダンサー、ローレライ(M・モンロー)とドロシー(ジェーン・ラッセル)が、パリへ渡って男と金にまつわる騒動を繰り広げるミュージカル・コメディ。モンロー=向井真理子は当然として、ジェーン・ラッセル=来宮良子の美声にビックリ。晩年は「演歌の花道」のナレーションで低音の迫力ある声でおなじみだが、若い頃の声は非常に艶があったのだ!
さて、本作の吹替版は飛ばしまくり。しょっぱなからラッセルが来宮の声で「世界広しといえども、あんたとユリ・ゲラーくらいのもんよ、ステージでライト浴びながらお客のポケットまで見透かすなんて」とのたまう。ユリ・ゲラーが超能力者として日本に紹介されたのが1974年頃。その時事ネタをさっそく吹替に取り入れる自由奔放さ。後半の法廷シーンでは、ローレライに変装したドロシーが登場。来宮が向井のモンロー演技の真似をするという飛び道具。ハイトーンのセクシー・ボイスを連発する。これは吹替的にも非常に貴重なので、ぜひご覧になっていただきたい。
ローレライの婚約者ガス(トミー・ヌーナン)の声を広川太一郎が演じているが、声を作りすぎて最初は誰か分からない。が、すぐに広川節が前回。ローレライのキスの後にメロメロになって「キイた~!カラシみたい」とアドリブ注入。全編すっとんきょうな声で、隙あらばアドリブを入れてくるので、こちらもチェックしてほしい。

『百万長者と結婚する方法』ベテラン声優の若き日の演技をどうぞ

百万長者と結婚する方法
 金持ち男性との結婚に躍起になる三人の女性を描くラブ・コメディ。M・モンロー=向井真理子、ローレン・バコール=大塚道子で、鉄板のFIX配役。本作の向井モンローは、少しだけお色気ムードを抑えて、むしろボケ役にまわっている。三人の美女のリーダー格の大塚バコールは、低音の美声で存在感をアピール。ベティ・グレイブルの声を演じる鈴木弘子は、元気いっぱい、これでもかというほど口をまわして多めの台詞を難なくこなす。三者三様のキャラクターが、吹替版でも存分に発揮されているのが、聴きどころ。
しかし、本作の最大のポイントは、吹替の収録時期(1967年7月30日「日曜洋画劇場」放送)。とにかく出演者の声が若い! 鈴木弘子は当時20代前半、内海賢二(メリル役)、羽佐間道夫(エベン役)、青野武(エレベーター・ボーイ役)もまだ30代前半。まるで別人のように声が若く、一聴の価値あり。特に、羽佐間道夫の第一声は、一瞬本人とは分からない。皆さん演技も初々しく、思わず笑みがこぼれてしまう。

『カイロの紫のバラ』全編にわたる膨大な会話は、吹替でなければ伝えるのは不可能

カイロの紫のバラ
 ウッディ・アレン監督・脚本による、映画の中から飛び出した主役が観客の女性と恋におちるファンタジー・コメディ。本作は、オープニングとエンディングのクレジット以外は、全編台詞と言っても過言でないほど、濃密な会話劇になっている。W・アレンが台詞に込めた意味をきちんと伝えるためには、残念ながら字幕ではどうしても限界が出る。こういった作品こそ吹替の出番。さらに、芸達者な声優が配役されている点もポイント。
主演のM・ファローは、高島雅羅が高めの可愛らしい声で好演。映画の中の登場人物と俳優の二役を演じるJ・ダニエルズは富山敬。すばらしい滑舌で大量の台詞をしゃべり、軽妙に役を演じている。57分あたりで、すばらしい歌声も披露。声優が歌まで吹き替えるのはレアケース。注目すべきは、本編開始から69分あたりで、同時に登場する二人のダニエルズが会話を交わすシーン。同じ人間なので声のトーンを変えずに、心情を声の演技に反映させることでキャラクターを演じ分けている。試しに、このシーンの富山敬のひとり会話を、目を閉じて聴いてみてほしい。富山敬を聴くだけで、おなかいっぱい(笑)。
予想外の収穫は、D・アイエロの声を演じた島香裕。他の作品では大男や悪役を野太い声で強めに演じることが多いが、本作では実に自然な喋りと演技で、だらしないが憎めない男を見事に表現している。


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Siringo【プロフィール】

幼少期よりTVで多くの洋画を鑑賞し吹替の魅力にとりつかれる。'02年より株式会社フィールドワークスでソフト制作業務を担当。独自の吹替探索ルートと一般の方から吹替音源の協力を得る方法により、失われた吹替版を多数復刻。『吹替の帝王』シリーズにも協力。現在までに関わった吹替収録ソフトは100作品を超える。

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2016.07.22『マイノリティ・リポート』佐藤拓也【後編】インタビューを追加しました。

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2016.05.27『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』小杉十郎太&相沢恵子&春日一伸インタビューを追加しました。

2016.05.13『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』福永莞爾&平田勝茂インタビューを追加しました。

2016.04.15傑作吹替視聴室Vol.20:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集第3弾を追加しました。

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2016.03.18傑作吹替視聴室Vol.18:吹替の名盤特集第二弾を追加しました。

2016.02.29傑作吹替視聴室Vol.17:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集第2弾を追加しました。

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2015.09.30『コマンドー』玄田哲章&土井美加インタビューを追加しました。

2015.08.14『エイリアン』大塚明夫インタビューを追加しました。

2015.08.14『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』田中敦子インタビュー第1弾を追加しました。

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2015.07.19『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』小山力也インタビュー第2弾を追加しました。

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