キミは日本語吹替の魅力を知っているか?実力派声優が魅せる【吹替】の真実を堪能せよ!

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INTERVIEW #50

 2008年に全米で放映されるや一躍注目を集め、シーズン7まで製作されるほどの人気を得たハード・クライム・アクションが、ついにDVDで登場。FOXのTVドラマ部門DVDボックス世界累計売上が、「24 -TWENTY FOUR-」を抜いて、史上No.1という快挙を達成した話題作だ。暴力に支配された無秩序な街を舞台に、最強バイカーズ・チーム「SOA(サンズ・オブ・アナーキー)」と敵対するギャングたちとの戦いが展開していく。今回は主人公のSOAの副リーダージャックスの吹替えを担当した森川智之と、ジャックスの母ジェマを担当した五十嵐麗の2ショット・インタビューをお届け。『サンズ・オブ・アナーキー』の見どころとは?

●7シーズン分を9ヵ月で収録! 重くて濃い嵐が過ぎ去ったようなアフレコ


――各シーズン13話、全7シーズンという長丁場の収録を終えられたわけですが、まずはご感想をお願いします。
森川:収録からは結構経っていますが、「この短期間で全部録れるんだ!」という。
五十嵐:かなりタイトなスケジュールでの収録だったんです。その間は、ずっと『サンズ・オブ・アナーキー』のことを考えてましたね。昨日、台本を積み上げてみたら凄い高さになりましたよ!
――作品の内容も重いので、ずっとこのことだけ考えるというのは……。
五十嵐:重かったですね(苦笑)。
森川:僕たちの役はメインキャラクターなんですけど、メインだけど、うかうかしてられないというか、「え? この人が殺されちゃうの?」という展開になるんです。まさにアナーキーな世界なので、「明日、どうなる?」みたいなところもあり、展開が読みづらい。そういう意味では、常にドキドキしていた日々でしたね。
――普段のお仕事の中でも、かなりタイトで密度の濃い収録だったのでしょうか?
森川:そうですね。海外の普通のシリーズものでは、本国で1シーズン放送して、ちょっとお休みの期間があって、また半年後くらいにシーズン2という感じで、長い期間でお付き合いするものですけど、『サンズ・オブ・アナーキー』では、それをギュッと一気に収録しましたね。
五十嵐:9ヵ月で全話やりました(笑)。
森川:一挙アフレコですよね。
五十嵐:頭の中が、ずっと『サンズ・オブ・アナーキー』でしたね。お話のほうも……お亡くなりになる方が多くて(笑)。最初から「殺される人数」を数えておけばよかった!と思うくらいの人数でした。不謹慎ですけど(苦笑)。

●“濃すぎる”キャラクター、ジャックスとジェマを演じるにあたって


――本作に出演されることになった経緯を教えていただけますか。また、準備はどのようにされたのでしょうか?
五十嵐:最初にお話をいただいたときは、「この期間に、これだけの話数を録りますよ」と言われて、「へぇ……」って思いました(笑)。事前に作品についてはあまり調べないまま収録に入ったので、「こういう世界なんだ、バイカーたちのアナーキーなストーリーだなあ」と感じました。
森川:僕は、演じるにあたって少しチャーリー・ハナムのことを調べたんです。(米映画情報サイト「TC Candler」が選出する)「2015年版 世界で最もハンサムな100人」で第3位にランキングされたりして、「1話ごとに必ず彼の裸が見られる」とあったんです。前情報として、今作ではセクシーな魅力が前面に出てると聞いて、どんなドラマなんだろうって思っていました。
五十嵐:収録のとき、その話してたよね(笑)。
森川:「必ずシャワーシーンがある」って(笑)。で、やはり日本語吹替版は後発で、字幕版が先にオンエアされていたので、表に出ている情報も色々あったんですが、「今回は一挙収録で、役も一気に演じられるから、逆にあまり前情報を入れ過ぎず作品を一緒に楽しみながらできればいい」と考えたんです。最初に色々調べましたが、収録がスタートしたら「次はどうなる?」って感じでアフレコ現場も盛り上がって、それがモチベーションにもなりましたし、いいチームワークで収録できたんじゃないかなと思います。
――事前に字幕版などで観ることはなく、収録エピソードごとに話を追いかけていく感じだったんですね。
森川:はい。
五十嵐:私もそうです。
――おふたりが演じられた役柄、ジャックスもジェマも非常に濃い役ですが、どのような印象を持たれ、どのようにアプローチしていったのでしょうか?
森川:ジャックスはバイカーで、田舎の街を牛耳ってるグループ。日本にもそういう立ち位置の人たちはいますが(笑)。でもジャックスたちには爽やかなイメージがあるのかな、と思ってたんです。ジャックスの父親が元々グループのリーダーだったということもあって、第1話では父親の思い出、彼が遺した日記を読んだりもしますし。そういうものを回顧しながら、父親の後を継いで生きて、色んな壁にぶつかりつつ乗り越えて、最終的に父よりも上を行くという、青春ドラマだろうと想像していました(笑)。「ジャックスはあいつの息子だけど、まだまだ子供だから銃も撃てないし殴り合いもしない」なんてことを最初のほうは言われてたし。でも、フタを開けてみたら、最終的には一番人を殺してるかも(笑)。
五十嵐:私が演じたジャックスの母ジェマも、強い母で姉御肌なので、息子を立てつつクラブを盛り立てていく役なのかと思ってました。そういう家族の物語なんだろうなって(笑)。
森川:継父のクレイ(演じるのは『ヘルボーイ』のロン・パールマン)もいい人なんだろうなと思っていましたね(笑)。ところが、エピソードを重ねるごとに雲行きが怪しくなって……。
五十嵐:前の夫ジャックスの実の父ジョンが死んで、今の夫クレイと出会って、他にもちょっと個性的な面々が周りにいて、色んなドラマが起きるんだろうな、と思ってましたよ(笑)。ジェマの役作りも、家族を愛して守ることだけを考えているような立ち位置でいいかなと。まあ、ちょっと口の悪いお母さんで、最初から「クソ女」という言葉が出てきてましたが(笑)。息子もまだまだだし、難しいことは考えずに収録に入ったんですよ。
森川:それが、父親の日記を見つけたら秘密がどんどん出てきて……。

●ストーリー、キャラクターの変化に合わせて、声はどんどん低いトーンに


――ジェマは生易しいキャラクターではなく、徐々に凄まじい本性が明らかになっていきます。その中で、声のトーンなども変わっていったりしましたよね?
五十嵐:特に作って演じようと思ったわけではありませんが、自然と、暗い、低いトーンになっていくんですよね。声のボリュームも抑えられていくというか。「もうちょっと声を出してもいいですよ」と言われるくらい、こもっていく感じでした。色んなものに対する想いはどんどん強くなっていくんですけど、本人の意識は心の中に向かっていくというか、誰にも見えない想いのような。ジャックスも最初は「高い感じの声ででやってください」って言われてたじゃないですか?
森川:そうですね。
五十嵐:好青年な感じでね?
森川:スレていない感じ。爽やかというか、裏の世界にハマってない声でスタートして、だんだん立場が上がっていくにつれて、ドスの効いた、威厳のある声にチェンジしていった記憶はあります。
――ジャックス役のチャーリー・ハナム、ジェマ役のケイティ・セイガル、演じている俳優に対してはどんな印象をお持ちですか?
森川:僕はこの作品でしか出会ってないんですが、彼はハマリ役ですね! アウトローの若者にピッタリな気がします。魅力的なのは、シーンによって顔つきが違うところ。父親として息子のアベルに接しているときと、拳銃を握っているときで全然顔が違うし、バイクに乗ってるときのカッコよさ、ここもまた顔が全然違う! 実に多面性のある顔の持ち主だと感じました。
――ケイティ・セイガルは、本作でアメリカでもブレイクした女優さんですね。
五十嵐:この作品でゴールデン・グローブ賞(最優秀主演女優受賞)を受賞されたんですよね。日本ではこういうタイプの女優さんは、あまりいないですね。ただただカッコいい女優だな、声を演じられるのが嬉しいな、という気持ちでした。でも彼女は、実はすごく細かい芝居をしてるんですよ。ちょっとした表情や呼吸で映像的な芝居をする方なので、そういった部分を拾っていく。そうすると、そこに触発されて自分の芝居が出てきて、すごくやりやすいんです。何の違和感もなく演じられました。

●森川、五十嵐が語る『サンズ・オブ・アナーキー』の魅力とは?


――改めて、この7シーズンを体感されて、物語の印象、魅力について教えてください。
森川:今思うと“ザ・アメリカ!”ですね。アメリカという国の縮図が、このシリーズにはそのまま投影されてると感じています。人種も宗教も何もかも、ホワイトカラーとブルーカラーの違いですとか。アメリカの片田舎の実像を切り取った、どこにでもあるような問題が浮き彫りにされている気がして、これを見るとアメリカという国が、リアルに“闇が深い”国なんだと分かる。
――行われていることは過激ですけど、各キャラクターの考え方やセリフは、普通にアメリカ人の中にあるものなのかもしれませんね。トランプ大統領が誕生する背景などについて論じた記事を見ると、まさに『サンズ・オブ・アナーキー』の世界そのものじゃないかと。
森川:そうなんですよね!
――都市部はインテリでおしゃれだけど、田舎は保守的で……まさにこのドラマそのまま。
森川:メキシコ系クラブの「マヤンズ」とか(笑)。リアリティ番組みたいでしたね。
五十嵐:リアルじゃない点は、登場人物がなかなか罰せられることがないこと(笑)。まさにアメリカの縮図だし、そういう中に人間関係や愛憎が詰め込まれていて面白いですよね。

●シーズン1から怖い! ジャックスの母ジェマが体現する、女が持っている愛憎


――五十嵐さんは、ジェマという母親の役を演じられて、女性の持つ愛憎、家族という関係性についてどのようなことを考えられましたか?
五十嵐:家族だからこそ憎しみも深くなるんでしょうし、色々あると思いますが、結局、彼女は「血の繋がり」を全てに優先したんだなと思います。前夫、現夫どちらもどうでもよくて、息子がかわいいという、動物的な本能を持つ母親。
――そうすると夫は……。
五十嵐:あくまで他人なんですよね(笑)。それでも、自分を守る存在、安らぎも必要で、最後はネロ(シーズン5から登場する売春クラブの経営者)のところに行くというのも理解できますし……。
森川:血の繋がりだね。ジェマの愛情が向いているのはジャックスであり、孫に対して。ジャックスの嫁は彼女にとって邪魔になるわけだし。
五十嵐:ある意味、すごく分かりやすく、筋の通った行動をしてるなと(笑)。でも、時々誤解しちゃって色々あるんですけどね……(苦笑)。
森川:でもジェマはブレないよね。
――「理解」や「共感」という目線で見ることはできないですか?
五十嵐:できますね。行き過ぎてしまうことは別として、元は誰にでもある感情で、演じててすごく分かるんですよ。「ダメだよ……」と思いつつも、こんな風になっちゃう人は実際いると思います。私は子供を産んでいませんが、愛情なのか独占欲なのか、母親の立場というものは特にそうなんじゃないかと。
――「血筋」という言葉が確かにピンときますね。あくまで、血の繋がりが重要であって、決して息子のジャックスの幸せが自分の幸せというわけではない。
五十嵐:違うんですよね。
――その恐ろしさが……。
五十嵐:でも分かるんです(笑)。正直に生きると、そうなるのかもしれないですよ(笑)。
森川:それがある意味、このドラマの根幹ですよね。最終的には母親が悪役。
五十嵐:本当に息子の幸せを思うなら、「タラ(ジャックスの恋人)と幸せに」って願うはずですけどね。
森川:収録の現場でもみんな言ってたよ。「悪いのは全部ジェマだよね」って(笑)。最後のシーズンは特に。
五十嵐:そうね。彼女が普通にしていれば、みんな死ななかったでしょうに……。
――エスカレートはしていきますが、ジェマというキャラクターは、シーズン1から怖いところはあります(笑)。息子の恋人や妻に対する行動ですとか。
五十嵐:彼女の生い立ちが徐々に明かされますが、原因はそこにあるんでしょうね。
――ジャックスは、母からの愛情を受け止めつつ、親とは違う幸せを模索して生きますね。森川さんは、ジャックスの立場からみて、家族の繋がりというのをどのように感じましたか?
森川:ジャックスは、普通に家族を持ちたいんです。前の奥さんとの子供もいるし、親子としての幸せも求める。常識的に、人間としての幸せを求めていると感じました。それが、グループのリーダーになったことで歯車が狂っていくんですけど……。根幹には家族との幸せを求めてるし、最後に彼が下した決断も、家族の存在があると思うんです。

●町の名前は「チャーミング」!? 物語がエスカレートし「死体を埋める場所」がなくなる!


――クラブの男同士の絆に対しては、同じ男として胸が熱くなった部分もおありですか?
森川:現代版『ゴッドファーザー』みたいな(笑)。
五十嵐:熱いものがね(笑)。
森川:母親からすると「血」だけど、クラブは血よりも濃いものを求めていて、そこは男と女の感覚と違うのかなって思います。結束力って凄いですよね。まあ、裏切りなんかも出てくるけど。
五十嵐:でも、最後まで裏切らない人もいるから。
森川:いましたね。今思うと、最後まで信頼してついてきてくれた人も……それが分かればねぇ(苦笑)。「まさか!」って人物もいるし。
――物語が進むごとに好感を持ったり、色んな思いでそれぞれのキャラクターを見ていると、途中で裏切られたり、「こいつ、悪い奴だったのか!」とか思ったりも(笑)。迷路のようです。
森川:そうなんですよね。その中でジャックスのトップとしての成長があり、駆け引きも上手になっていき、どんでん返しもあって面白いですよね。特に後半、台頭するグループが出てきてからは余計に。
――家族、仲間、戦い……ここまでで色んな要素を挙げていただきましたが、その中のひとつだけでも1作品できるくらい濃いです。それがこの7シーズンに詰め込まれていますね。スケールの大きさが凄い。日本ではちょっと考えられない規模の物語になっていきます。
森川:凄かったですね。銃撃戦が当たり前になって、人を殺すたびにあちこちに埋めて……。物語の舞台のチャーミングの町というのは、いったいどういう場所かと。
――町の名前が「チャーミング」というのが一番のツッコミどころですよね。
森川:そうそう! ちょっと掘り返すと死体が埋まってる(笑)
五十嵐:「もう埋めるところが(ありません)……」というセリフも出てきたりするし(笑)。(ファイナル・シーズン 第2話)。
――先ほど五十嵐さんも「死んだ人を数えておけばよかった」とおっしゃってましたが、どこに誰が埋められているかなどの見取り図が欲しくなりますね。
五十嵐:不謹慎だけど。誰がどこで撃たれたとかね(笑)。
森川:あと、みんな、何回捕まって、檻に入れられたか(笑)。みんな、捕まる割によく出てこられるなって思います。
五十嵐:緩いですよね。警察が信用できないのか。逮捕が大したことじゃなくなってる(笑)。

●“コワモテ”声優が大集結! 森川は全身『サンズ・オブ・アナーキー』グッズで固めていた!


――アフレコ収録に関してですが、この濃い9ヵ月の現場はいかがでしたか?
五十嵐:怖い声の男性たちがいっぱい集められた現場でしたね(笑)。
森川:女性はほとんどいなくて……。
五十嵐:低い声の男性が大集合しましたね。「あ、この人もやはり呼ばれたか」という方々が両隣に座って、低い声が飛び交う現場で収録してました。
森川:そういう人たちが掛け持ちで色んな役をやってて、ひとりで会話したり(笑)。
五十嵐:登場人物が多いから、ひとりの役者さんが複数の役をやるんですが、同じ役者さんの役同士で会話することになったりするんですよ(笑)。まさかのね。
――確かに登場人物はみんな低い声の男たちですもんね。
五十嵐:プロデューサーも「そういう声の人たちを呼ぶ」と最初に言ってましたが、“悪い声”の人たち……と言うと怒られるかな?(笑)
森川:“野太い声”の人たち? “ダミ声”の人たち?(笑)。
五十嵐:レギュラー陣には最初からそういう人たちが多かったのに、さらに増えていきました(笑)。
――基本的には、皆さんバラバラでの別録りだったんですか?
五十嵐:色々ですね。集まって録ることもありましたし。
――主要な皆さんが一堂に会することも?
五十嵐:ありましたね。凄い迫力ですよ、男性たちが(笑)。
――収録中の面白いエピソードなどは何かありましたか?
森川:現場の様子を伝えられるエピソードとしては……『サンズ・オブ・アナーキー』のグッズ、おしゃれなTシャツとか、実はいっぱい発売されてるんです。バイカーの服はロックテイストだから、革ジャケットとかスカルの模様とか。劇中でジャックスが着ているTシャツも売っていて、僕も同じものを買って収録に着て行っていました。でも、普段から僕が着ているTシャツとテイストがあまり変わらなくて(苦笑)。
五十嵐:最初は気づかなかった(笑)。
森川:気持ちが入りましたよ。どのグッズもカッコいいんですよね。ロゴが入っていて。キャストが劇中で着ているようなものなんですよ。バイカーが見たら『サンズ・オブ・アナーキー』のだ、と気づくかもしれない。

●お気に入りのエピソードは? あのキャラクターに要注目


――お好きなエピソードやシーンなどはありますか? 印象深いシーンや、演じていてシビれたシーンなどでも結構です。
森川:僕はティグが、ゲイのヴィーナスとイイ感じになっちゃうのがすごく面白かった!(シーズン5 第5話ほか) 聞き込みに行ったときに、元は男性のヴィーナスを見て、ティグだけがチラチラ見て気にしてるんですよ(笑)。その後、どうなるのかと思ってたら……寝てましたからね! ティグは最初はコワモテで、何を考えているか分からない殺人鬼のような雰囲気でした。あのクラブに置いておいたらマズいだろうっていうくらいの狂人的な、危ない感じだったのに、物語が進むうちに……(笑)。
五十嵐:演じている役者さん(キム・コーツ)が、そういうものを持ってるんでしょうね。
森川:ティグの役者さんが、あの役柄を遊んでるよね(笑)。最終的にすごく可愛いくなるんですよ。ジャックスに「俺の言うことを絶対に聞け」と言われて、「分かった」と右腕的な立場にもなるし。
五十嵐:ジェマとイイ感じの雰囲気になりかけるんだけど、「できない!」ってなったり(笑)(シーズン4 第13話)。
森川:免許を取り上げられてティグは「俺、もうバイク乗れない……」としょんぼりしたりとか(シーズン3 第8話)。免許なくても乗るだろう、コイツらは! この作品の違法行為の中で、一番軽い罪でしょ(笑)。そういうのが面白い!
五十嵐:ティグは、いいキャラクターですよね。
――アメリカの長丁場のドラマならではの魅力ですが、キャラクターの魅力がじっくりと描かれますし、少しずつ変わってもいくんですよね。
森川:そうなんですよ。おそらく、視聴者の声も受け入れつつ、シーズンごとに変えていくんですよね。最初の設定がいつの間にか薄らいでいくこともあるし。例えばボビーは、お父さんの右腕的な存在で、慈善事業をやるときに、彼は必ずエルヴィス・プレスリーのモノマネをやってるんですよ(笑)(シーズン1 第1話ほか)。見てて「これはどうなんだ?」と思っていたら、そういうシーンはなくなりましたもん。3回くらいで。
五十嵐:またやるんだと思ってました(笑)!
森川:何度か試したんでしょうね。それで「イマイチだな、これは」となって、やめちゃったんでしょうね。

●演じた者だからこその、気持ちよかったセリフやシーンは?


――ご自身のセリフなどで楽しかったものや気持ちよかったのはなんですか?
森川:僕は親友オピーとの、仲が良かったころの掛け合いです。あのギスギスした関係性の中で唯一、裏もなくキレイで良かったですね。あとはジャックスが子供に声を掛けるときくらいですかね、お父さんとして。ホッとしていました。
――子供たちが出てくると微笑ましくてホッとするんですけど、同時に「この子たちに何かあったら…」と心配にもなります(苦笑)。
森川:そうですよね。子供を育てる環境じゃないですよね。それこそ、最後は子供たちがいたからこそ、真実が明らかになるわけですし……。
五十嵐:そうそう。アベルに聞かれていたんですよね。ジェマはあのシーンで真実をつい言いたくなってしまったんでしょうかね? 懺悔というか。あんなところで懺悔しちゃダメだよね(笑)(ファイナル・シーズン 第7話)。
――ジェマの行動やセリフで、気持ちいいと感じることはありましたか?
五十嵐:いつも含みがある感じなんですよね、ジェマは。
――ジェマの言動は、視聴者にとっては観ていて、快感だったり、中毒性があると思います!
五十嵐:耳元でささやいてね(笑)。あれは確かに、演じている側にとってはとても楽しいんですよ、ドスの利いた感じで。
――悪いセリフがいっぱいありますが……。
五十嵐:あり過ぎて…最初から「クソ女」と言ってますから(笑)。決して普段は言えないような言葉遣いばかりで、どれも面白かったですね。ジャックスの元妻のウェンディに、特に色々言うじゃないですか。シーズン1のウェンディが出産したときも、花を持って行ってすごく優しい言葉を掛けたかと見せかけて、実は「死ね」というメッセージを伝えるという(笑)。

インタビュー後編はこちら≫

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『サンズ・オブ・アナーキー』全7シーズン デジタル配信中/DVD好評発売&レンタル中
(2016年11月24日/於:ブロードメディア・スタジオ/取材・文:黒豆直樹/協力:フィールドワークス)

森川 智之(もりかわ としゆき)【プロフィール】

1月26日生まれ、神奈川県出身。
株式会社アクセルワン代表取締役社長。高校卒業後、勝田声優学院を経て声優活動を開始する。洋画ではトム・クルーズ(『ミッション:インポッシブル』シリーズ、『アウトロー』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など)、ユアン・マクレガー(『スター・ウォーズ エピソード1~3』『ゴーストライター』『エージェント・マロリー』ほか)、ブラッド・ピット(『セブン』テレビ朝日放送版、『スパイ・ゲーム』テレビ東京放送版など)、キアヌ・リーブス(『マトリックス』フジテレビ放送版、『コンスタンティン』テレビ朝日放送版など)、マーティン・フリーマン(『SHERLOCK/シャーロック』『ホビット』シリーズ)などを持ち役としている。アニメーションのアテレコ、ゲームの声、ナレーション、ラジオなどでも幅広く活躍中。

五十嵐 麗(いがらし れい)【プロフィール】

東京都出身。Rush Style所属。
洋画・海外ドラマ・アニメーションの吹替え、ナレーションなどで幅広く活躍。洋画や海外ドラマでは、大人の女性の役を多く演じている。主な声の出演作に『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』のレナ・へディ(サラ・コナー役)、『デスパレートな妻たち7・8(レネ役)』『アグリー・ベティ(ウィルミナ役)』のバネッサ・ウィリアムズなどがある。洋画では『007 スペクター(ルチア役)』のモニカ・ベルッチ、『ダークナイト ライジング(ミランダ役)』『インセプション(モル役)』のマリオン・コティヤールの声を担当している。

解説&ストーリー

 2008年に全米有料チャンネルFXで放送がスタート。一躍注目を集めて、2014年まで全7シーズンに渡って放送されたハード・クライム・アクション。暴力に支配された無秩序な街、カリフォルニア州チャーミングを舞台に、最強バイカーズ・チーム「SOA(サンズ・オブ・アナーキー)」が、敵対するギャングや汚い警察、捜査組織を相手に、“悪で悪を制す”壮絶な戦いを繰り広げるさまを濃厚なドラマとアクションで描く。ファイナル・シーズン放送時には放送局のFX史上最高平均視聴者数を記録。さらには、「24 -TWENTY FOUR-」「プリズン・ブレイク」を抜き、FOXのTVドラマ部門DVDボックス世界累計売上史上No.1という快挙を成し遂げた。出演は「パシフィック・リム」でも共演のチャーリー・ハナム、ロン・パールマン。本作でゴールデングローブ賞主演女優受賞を獲得したケイティ・セイガルほか。21のアワードで51部門ノミネート10部門受賞だけに、その作品力はお墨付きだ。

吹替のポイント

 チームの副総長でやがてトップへ上り詰めていくジャックス(チャーリー・ハナム)を担当するのは、実写吹替、アニメ声優のほか、ナレーション、歌手活動と幅広い活躍で人気を誇る森川智之。トム・クルーズ、ユアン・マクレガーを筆頭に、キアヌ・リーブス、ジュード・ロウなど、ハリウッドのイケメン俳優を歴任するだけに、「世界で最もハンサムな100人」第3位に輝くハナム役にはぴったりだ。ジャックスの母で、物語が混迷を極めていく元凶でもあるジェマ(ケイティ・セイガル)の吹替えを務めたのは、「インセプション」のマリオン・コティヤール、「007 スペクター」のモニカ・ベルッチ役などで知られる五十嵐麗。インタビューでも語られている通り、ストーリーが進むほどに凄みを増していく、森川、五十嵐の声の芝居に注目だ。また、ジャックスの継父でチーム総長のクレイ(ロン・パールマン)役として、シュワルツェネッガー初期作の吹替えで知られる屋良有作も参加している。

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2016.04.01傑作吹替視聴室Vol.19:吹替の名盤特集第三弾を追加しました。

2016.03.18傑作吹替視聴室Vol.18:吹替の名盤特集第二弾を追加しました。

2016.02.29傑作吹替視聴室Vol.17:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集第2弾を追加しました。

2016.01.29傑作吹替視聴室Vol.16:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集を追加しました。

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2015.11.12傑作吹替視聴室Vol.15:吹替の名盤特集第1弾を追加しました。

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2015.08.14『エイリアン』大塚明夫インタビューを追加しました。

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