キミは日本語吹替の魅力を知っているか?実力派声優が魅せる【吹替】の真実を堪能せよ!

吹替えの帝王 Powered by 20th Century FOX Home Entertainment 企画協力:フィールドワークス

  • 式Facebook
  • 公式Twitter
  • 吹替の帝王〜商品紹介〜
  • 吹替えの名盤〜商品紹介〜
  • 海外ドラマ〜商品紹介〜
  • インタビュー 〜吹替の現場から〜
  • 吹替収録作品
  • 傑作吹替視聴室
  • とり・みきの吹替どうなってるの

INTERVIEW #38

 田舎町の高校を舞台に、問題を抱えたはみ出し者ばかりの生徒たちが、歌うことを通して人々とつながり、大きく成長を遂げていく姿を描いた『glee/グリー』。2009年からスタートし、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞ほか名だたる賞を受賞、笑いと涙で全世界を夢中にさせた大ヒット青春ドラマが、ついに最終シーズンを迎える。今回はメインキャスト、レイチェル役を務めた坂本真綾と、演出家の早川陽一の対談形式のインタビューを実施。同作、そして吹替版の魅力を語ってもらった。

インタビュー前編 / インタビュー中編 / インタビュー後編(11/27UP)

●「ファイナル・シーズン」に向けての心境、そして初めて作品に触れたときの記憶

──『glee/グリー』もついにファイナル・シーズン、2009年から足かけ6年かけて最終シーズンを迎えるわけですが、今のご心境はいかがでしょうか?
早川:寂しいですね。でも考えられる一番良いフィナーレを迎えたのかな、とも思っていて、なんか安心した感もありますね。坂本さんはどうですか?
坂本:本当にこれだけ長いシリーズを続けていく中で色んな事があったんですけど、最後は全てをひっくるめて、考えうる限り一番のハッピーエンディングになっていると思います。
早川:うんうん。本当にそう。
坂本:TVシリーズということもあって、どれくらい続くんだろうと思いながらやってもいたので、いよいよこのシーズンで最後になるって分かった時から、改めて『glee/グリー』という作品がどれだけ大きな存在だったかと感じましたね。

──この作品は、ミュージカルというものを今までにない形でドラマに採り入れたものだったと思うんですが、最初に『glee/グリー』という作品に触れた時の印象はどんなものだったんでしょう?
坂本:出演している役者さんたちは無茶苦茶ハードだろうなと思っていました。ドラマ部分の撮影の他に、楽曲が決まってレコーディングして、さらに振付をして、毎回凝ったカメラワークでの演出があって。ひとつのエピソードに5、6本のPVが入っているようなもので、それを毎週やるんですから。これを作る時間と労力、アイデアを考えるとちょっと日本ではできないな、と。本当にスゴイなと感じますね。どうやって撮っているんだろうって(笑)。 それを6年もやってきたという体力とエネルギーには本当に驚きました。毎回新しい事に挑戦していましたし。吹替では歌のシーンだけ原音に戻るので、私たちはセリフの部分でできる限り違和感なく音楽シーンに繋いでいく。それはすごくやりがいのある事だと思いましたね。
──演出的にはいかがでしょう? その違和感なく音楽シーンに繋げるところはまさに腕の見せどころとなりそうですが。
早川:そうですね、歌は向こうのキャストの声ですが、吹替版の声を合わせるだけでよいかと言えばそうじゃない。声が似ているのと、キャラクターを上手く演じられるのとはまたちょっと違うんですよね。だからキャラクターに合いつつも、元の声に似ている方を探すのは楽しみでもあり、挑戦でもありましたね。

●濃いキャラクターたちの登場に、声優陣も多彩なメンバーが大集結

──キャスティングで印象に残っている事はありますか?
早川:レイチェルはもう良くも悪くも……って良くも悪くもって言い方はないな(笑)。
坂本:(爆笑)
早川:なんというか、「私! 私!」っていう主張の強さを持った、彼女の可愛いウザい感じを出すのは難しいだろうなと思っていたんです。でも坂本さんはすごくお上手で、もう即決のような感じでした(笑)。
坂本:(笑)。オーディションがあったんですけど、その時からウザくやってくれって言われて(笑)。ヒロインって聞いてたのに。普通ヒロインって大抵いい子じゃないですか。でも、逆にただのいい子じゃないところがすごく面白そうだと感じて、やりがいを感じたというか、ウザさをずっとテーマにしていましたね(笑)。
──「ウザい」というのもなかなか難しいですよね。本当に嫌われちゃうとドラマとして成立しないですし、かなりギリギリの線を保たなければならなかったと思うのですが、特にレイチェルのウザさを演じる上で気を配っていたところとはどんな点なんでしょう?
坂本:(笑)。まずは演じているリア・ミシェルの顔って目鼻立ちが本当にはっきりしていて、表情もすごく豊かだし、口も大きく開くし、早口なので、私も普段よりに大きくパキパキ話すようにしてましたね。押し付けがましい喋り方をするほうが、なんかちょっとウザいじゃないですか(笑)。
早川:確かに(笑)。
坂本:彼女はいつも声が大きくて押しが強いので、しっかり語尾まで言い切る(笑)。でもそれはリア・ミシェルがどういう風に演じているのか、それを日本語に置き換えるとどういう風になるかな、っていうのを常に想像しながらやっていたので、自分がどうしたいというよりは、映像の中のレイチェルを見て、自分が感じるままに、なるべく彼女に近づけたいなと思ってました。
──レイチェルに限らず『glee/グリー』のメンバーは学校のはみ出し者からスタートしているので、出てくる人がみんな濃いキャラクターじゃないですか。当然吹替版にも濃い個性を持った人たちが集まるわけで、それをひとつにまとめていくのも腕が必要かと思うのですが、その辺りはいかがでしょう?
早川:いやあ、最初はどうしようかと思ってたんですけど……。何というか異種格闘技みたいな感じで、色んな声優の方がいらして、本当にこれが初めてのレギュラーという方から、ベテランの方まで揃っていたんですね。でも、作品でも色んな個性の人間が集まってひとつの事に向かっていく道筋がありましたから、それに上手く乗ってみんながまとまればいいなと。やっていくうちに、自然とまとまっていった感じですね。それについては、僕はあまり貢献していないかもしれません(笑)。

●全てが印象に残っている──最も辛かったのは、フィンの死を伝えるエピソード

──そういう個性的なメンバーと6年間やってきたわけですが、強く印象に残っている事はありますか?
坂本:全てと言ってしまえば、もう全部が印象に残っているんですけど、出演者がみんな『glee/グリー』という作品に対して本当に愛着を持っていて、気づけばチームになっていたんです。そういった時にフィンの事(フィン役のコーリー・モンテースが、2013年に急逝。声を演じたのは小野大輔)があったので、あの時は本当に辛かったですね。
早川:うん、辛かった……。
──シーズン5の第3話でフィンの死を伝えるエピソードが描かれましたが、あの時のキャストたちは演技を超えてましたね。
坂本:あのエピソードでの彼らの姿は本当に演技ではないし、レイチェルは特に生々しすぎて、私も言葉では言い洗わせないほどの難しさがありました。生身の心の底から発している言葉、セリフではない言葉を、ドラマの中で吹替えるっていうのは経験した事がなかったですし……。その日は本当にみんな……もう、どうしていいか……。
──吹替の現場も同じような感覚になってしまいますよね。あのエピソードは、ドラマではあるけど、そこに込められているのは本物の感情で、日本語吹替というワンクッションを置いたところであっても、5年以上関わってきていれば当然感情が入ってしまいますよね。
坂本:その年月ずっと一緒にやってきたからこそ、あのエピソードも吹替える事ができたんだと思います。ドラマに出演している俳優たちとずっと寄り添ってきたわけですから。
早川:本当に会った事もないのに、すごく親近感があって、だからフィンの事は悲しくて、悲しくて。
坂本:向こうのキャストの方々は、私たちがこんなに愛情を込めて吹替えている事を知らないでしょうから、私たちの仕事はやはり裏方作業なわけです。私たちは実際にドラマが制作されている過程を知らないんですが、映像を見ると伝わってくるんですよね。きっとこのセリフはフィンに向けて言ってるんだろうなとか、あのエピソードのあの話を言ってるんだな、とか、製作者の想いを感じ取れるんです。セリフは特に秀逸で、毎回刺さる言葉があって、そういう作品だからすごく引き込まれていったんだろうなと思います。

●チーム感のあった現場はまさにドラマと同じ「吹替版は本当にこの作品に合っている」

──バラバラだった人たちが長い年月をかけてひとつにまとまっていく作品だけに、吹替の現場もすごくチーム感があったと思います。その中でも忘れがたいシーンはありますか?
早川:うーん、毎回頭にアーティ役の落合佑介さんのナレーションがあったんですけど、徐々に徐々に上手くなっていく過程ですかね(笑)。時に坂本さんのダメ出しがありつつ。
坂本:ダメ出しじゃないですよ~。
早川:叱咤激励がありつつ(笑)。
──あのナレーションってすごく早口ですけど、基本的に『glee/グリー』って早口ですよね。その辺も吹替としては大変だったんじゃないかと思うんですが、やはり他の作品に比べてセリフの量も多かったですか?
早川:多かったですねえ。
──早口すぎてもダメでしょうし、タイミングを合わせるのも難しいと思うのですが。
早川:その辺がまたみんなお上手で。
坂本:(笑)。
早川:いやもう坂本さんとかスゴイです。自分で台本を読んでても、このセリフは(向こうの俳優が喋っている時間内に)入らないんじゃないかって思うんですよ。
坂本:思ってたんですか!? 私も思ってましたよ!(笑)。家で練習してて、これ入るのかな~って(笑)。
早川:翻訳の野口尊子さんがセリフを書かれてて、僕もそれを見て「入るかな?」って思うんですけど、ちゃんと入れてくるその腕!
坂本:いやいやいや。きっと現場に行ったらセリフカットされるに違いないと思ってるのに、減らしていただけないので頑張って入れるしかないですよね。
──ある意味スリリングな現場ですね(笑)。
坂本:またレイチェルの口がパパパってすごく動くので、あんまりセリフを減らしちゃうと彼女の口の動きとセリフが合わなくなってしまうんです。ですので、なるべく入るよう頑張りました。
──兼ね合いが難しいですね。減らしすぎてもダメ、でも英語と日本語では同じ意味の言葉でも分量も違うし。

坂本:それに『glee/グリー』はきわどいセリフが多いじゃないですか。普通のドラマだったら絶対避けるなっていうセリフも『glee/グリー』にはいっぱい出てくるんです。人種の問題とかジェンダーの問題、宗教の問題とか。本当にどぎつい言葉で、特にスー先生なんかは「これ言っていいの!?」っていうセリフが多くて。でもそれを言わないと『glee/グリー』じゃないんですよね。ブラックなところにあえて踏み込んで、青春ドラマなのにものすごく社会的なメッセージを発信している。それは字幕でも伝わるとは思うんですけど、日本語で聞いた方がショッキングなんですよね。こんな事を学校の先生が言っちゃうの!?って驚くんですが、でもそこでドキっとさせる事によって、このドラマのコメディの部分と、その奥に隠されている社会的メッセージのバランスが、すごく良く取れていることが伝わります。吹替の現場でも、家で台本を読んだ時より、現場で声優さんがしゃべっているのを聞いた時の方が、その意図がよりはっきりと伝わってくるのが『glee/グリー』でした。吹替版は本当にこの作品に合っているなと思います。

●「演出しがいのあったキャラクター」「興味深かったキャラクター」とは?

──情報量が多いので、吹替版の方が作品の理解度が深まるというのはありますよね。そんな中でも、早川さんが演出しがいのあるキャラクターとは誰だったんでしょう?
早川:いっぱいいますねえ。ですが、僕がかなりいじっちゃったなと思うのは、ロズ・ワシントン(毒舌の黒人女性教師。東條加那子が声を務めた)ですね。
坂本:でもあれは秀逸でしたよね。
早川:ロズは素晴らしかったですねえ。
──ロズはレギュラーではないし、毎回登場するわけではないけど、かなり強烈なインパクトを持ってましたね。
早川:白人のスー(グリー部に嫌がらせする女教師。声を演じたのは野沢由香里)に対抗する黒人版スーという存在なので、どういう風にキャラクターを作ったらいいかと考えたんだけど、結構冒険しましたね。
──坂本さんから見て、自分の演じたレイチェル以外で、声をやってみたいと思ったキャラクターはいましたか?
坂本:やってみたいですか?(笑)。そうですね……いや、やってみたいというのはないですね。みなさんそれぞれピッタリなので。よくもまあ、これだけピッタリの人を見つけてきたなと思ってました(笑)。
──では、興味深いと思ったキャラクターは誰でしょう?


坂本;個人的にはカート(ゲイをカミングアウトしているキャラクター。声優は石井真)ですね。彼は最初の頃はそんなに大きなキャラクターではなくて、どちらかと言うと地味なキャラクターだったんですけど、それが最後には、レイチェルが主役なのかカートが主役なのか分からないくらいの存在になるんです(笑)。彼が番組で担ってきたテーマはすごく大きなものだったし、演じているクリス・コルファーもみるみるうちに成長して、どんどんカッコよくなっていきました。吹替版でもカート役の石井さんは声質がピッタリなんですよ。本当にそっくりだし、細かい表情まで全部拾ってきて毎回完璧だなって思ってました。カートがゲイであるという点でも、嫌な作り込み方をしないで、すごく自然なんですよ。だからカートは本当に大好きでした。レイチェルとも密接なキャラクターで、最初はあんなにいがみ合っていたのに、最後には、「カートがいないレイチェル」は考えられないくらい、大きな存在になっていましたね。
──最初の頃は、カートとレイチェルがあんなに大親友になるとは思いませんでしたよね。
早川:全然思いませんでした(笑)。
──そういう変化も『glee/グリー』のひとつの特徴だったと思うのですが、その中でも特に変わったなと思ったキャラクターはいますか?
早川:サンタナ(声を演じたのは林りんこ)は大きく変わりましたよね。最後は彼女がレズビアンになっていたので、そういったテーマもあったし、歌もすごく上手になって見せ場もどんどん増えていって、サンタナは面白いなと。興味深かったですね。

●「ファイナル・シーズン」第12話は、シリーズ最初のエピソードを別角度から描く!?

──エピソードについてお聞きしたいんですけど、ファイナル・シーズンの第12話は、シーズン1の第1話を別角度から描いたものでしたが、改めてシーズン1の頃の若いレイチェルを演じた感覚というのはどうでしたか?
坂本:すごく変な感覚でしたね。なにが正解か分からないというか(笑)。向こうの役者さんもだいぶ無理してましたよね(笑)。今は洗練されちゃいましたけど、最初の頃のレイチェルは服装がダサくて、本当に信じられないような衣装を着てましたからね(笑)。とりあえず、周りの吹替メンバーの出方を見てから考えようと思いました(笑)。みんなどれくらい昔に寄せてくるんだろうって(笑)。
──演出的にはどうでしょう? まんま昔通りというわけにもいかないと思うのですが。
早川:わけにはいかないんですけど、とりあえず若くして欲しい、と。5年分若く(笑)。でも案外スっと入れましたよね。あの映像があって、元はああいう関係性だったんだって、1回思い出したらみんなすんなり入れたんじゃないかな。
坂本:まあ、演じてしまえばそうですね。でも、もうすぐシリーズが終わるというタイミングで、あのエピソードを持ってくるところがね。
早川:うんうん。そこが『glee/グリー』らしい。

●ふたりの「印象に残っている」曲、そして吹替版『glee/グリー』の見どころは?

──『glee/グリー』を語るにはやはり音楽は外せないポイントですが、おふたりにとって『glee/グリー』の中で強く印象に残っている曲は何なんでしょう?
早川:僕はシーズン4の第9話でフィンとマーリーが歌ったCrowded Houseの「Don't Dream it's Over」ですね。一度バラバラになったメンバーを、フィンが呼び戻す時に歌った曲です。あれは好きでした。
坂本:私はシーズン2の第16話、州大会で歌ったオリジナル曲の「Loser Like Me」が好きです。単純に曲として好きというのもあるんですが、いろいろ開き直って、タイトル通り負け犬でもいいじゃないかと言い切ってしまうところがオリジナル曲らしく、ドラマにすごく合ってましたよね。あとこれは本当にベタなんですが、やっぱり「Don't Stop Believin'」も外せない曲ですよね。特にシーズン4の第19話でレイチェルがオーディションで歌う場面、あれはすごく良かった。 レイチェルが歌っている後ろでフィンがドラムを叩いているところを見ながら、「なんかいろいろ思い出しちゃったね……」って、みんなで泣いてたんです。実はその次の日くらいにフィンが亡くなったというニュースを聞いたので、レイチェルにとってあの電話が最後になってしまったのか、とか、あの曲を歌ってレイチェルがオーディションに合格したのも感慨深く思えて、現実なのかストーリーなのか境目が分からなくなってしまって。最初はすごく気持ちの上がる曲だったのに、今は色んな想いがこみ上げてきて、今聴くとちょっと辛いかもしれない。
──あのオーディションのシーンは、あれが最終回であってもなんらおかしくないくらいの出来だったと思うのですが、そういうシーンがシーズン半ばに出て来るのも『glee/グリー』のクオリティですよね。ただ、TVシリーズは長く続くものだけに、いくら『glee/グリー』は面白いと評判を聞いてはいても、きっかけを逃すと、いつ見始めたらいいのか分からなくて敬遠してしまう人も多いと思うんです。そういう方たちに『glee/グリー』の魅力をアピールするとしたら、どこを押しますか?
坂本:(早川さんに)どうですか?
早川:やっぱり新旧の曲がふんだんに登場する事、そしてその曲を使うために物語が作られているので、いつ入ってもしっかりとしたドラマがあります。今からでもぜひどうぞ! と言いたいです。
──そして今回のインタビューは「吹替の帝王」ですから、吹替版での『glee/グリー』を見てね、というのも大事になってきますが(笑)。
早川:フィナーレに向けて、吹替版なりのフィナーレというのを何かできないかと思って、僕はいくつか仕掛けをしているんです。それをぜひ観ていただきたいな、と。
──その仕掛けがどんなものなのか、チラっと明かす事はできますか?
早川:そうですね。簡単に言えば、フィンはいるんだ、と感じられるものでしょうか。みなさんの心の中にも当然いるし、ドラマの中でもフィンが見守っているんだという事が分かると思います。もちろんオリジナルでもそういう演出はされているんですけど、吹替版は新たに声を収録する事ができるので、何かできないかと思って、ちょっと仕掛けを入れました。
──では字幕派の人に知って欲しい、吹替版の魅力とは何でしょうか?
早川:『glee/グリー』の場合で言うと、吹替えているキャストの方もgleek(作品名gleeと「オタク」の意geekを合わせた造語で、「熱烈なgleeファン」を指す)っていう感じで、キャラクターを愛しているし、吹替版はスピンオフみたいな感じで、また違った『glee/グリー』が楽しめると僕は思ってます。1回で2度楽しめるというか。僕たちもオリジナル版は大好きなんですけど、それとはまたちょっと違う『glee/グリー』として、吹替版を味わっていただけたらと思いながら作っています。
坂本:字幕と吹替どちらにも良さがあると思うんですけど、字幕だと文字数に制限もありますし、吹替版は原音と照らし合わせてみても、本当に訳も良くできてるんです。意味合いは同じでも日本人の感覚に分かりやすいようになっているというか。それに『glee/グリー』に限らず、とにかく見ず嫌いで終わってほしくないなと思います。いつもは字幕で観るという方も、時には吹替版の方がひょっとしたら楽しいと思える作品もあるかもしれないので、一度は観てほしいですね。

●吹替版だからこそ生まれる“マジック”──最前線にいるふたりが明かす舞台裏

──今度は『glee/グリー』に限らず、吹替全体の事についてお訊きしたいのですが、おふたりが考える吹替版だからこその魅力というのはどんな点でしょう?
早川:日本語で海外のドラマを観る事ができるという事ですかね。喜怒哀楽も含めて、キャラクターの感情を日本語のセリフで聞けるというのは、やっぱり大きいと思います。
──特にアメリカのドラマなどは、身振り手振りも基本大きいし、日本人の感情の起伏よりはちょっと高めでオーバー気味だと思います。演出する上でも、ちょっと日本側に寄せていたりするんですか?
早川:どうかな……。うーん……。でもそうかもしれませんね。(セリフを)聴く人は日本人なので、日本人が聴いてどう感じるかな、どう伝わるかなというのは大事にしたいと思ってますね。 

坂本:字幕では拾い切れないような、メインキャラクターではなく、画面の奥で話している人たちの言葉も吹替では分かりますし。『glee/グリー』みたいに大勢の人が同時に話すようなシーンが多い作品だと、字幕だと今誰が話しているのか見逃してしまう事もあるし、こういう登場人物が多くて早口のセリフの作品ほど、吹替版で観た方がオリジナルにあるスピード感も感じてもらえると思います。それにさっきも言いましたが、目で見て感じる時以上に、耳で聴いた時の方がセリフもインパクトが大きいんです。だから私が作品に携わる時は、できる限り、観ている方が、今吹替版を観ているという事を忘れてしまうくらい、あちらの俳優さんが演じているキャラクターに寄り添って、ドラマの魅力を伝えるお手伝いができたらいいなと思っていますし、それが吹替えの一番の醍醐味ではないでしょうか。
──オリジナルの持つ世界観に、いかに吹替版をリンクさせていくかというのは、こちらが思う以上に繊細な作業な気がします。演出する上でこだわっているところはありますか?
早川:向こうのキャラクターが持っているものに、どこか似たところがある役者さんを起用するのが一番だとは思っています。坂本さん的にはレイチェルに似ていると言われるのは微妙だと思うんですが(笑)。でも、それが表現できる役者さんだと思うので。
──演じるヒロインに似ていると言えば本来は褒め言葉なんですけど、それを一瞬躊躇させるレイチェルって、かつてないヒロインですね(笑)。
坂本:不思議なもので、みんなどこかちょっと似てるんですよね。ずっとやっているうちに、現場に入ると自然とそうなっちゃうんです。実は、レイチェルみたいにあえてしている自分もいるんですよね。

早川:なるほど、なるほど。

坂本:なんかこう、レイチェル役の人間が自信なさげだと盛り下がるんじゃないかなって。それよりはレイチェルみたいに常に堂々としていた方が、自分も本番の時だけレイチェルみたいになるより楽ですね(笑)。みんなはどう思っているかは分からないですけど、長いシリーズをやっているとだんだんそのキャラクターに似てくるみたいです(笑)。

早川:それで思い出したんですけど、先輩のディレクターが現場を見に来た事があって、その時ウィル役の森川さんを見て「先生みたいですね」って言ってて、先生というかみんなを見守っている森川さんを見てすごく新鮮だったと話していました。やっぱり先生役をやっていると、そんな風になるのかなと思いましたね。フィンが亡くなった時も、森川さんがみんなを支えるようなオーラを放っていたような気がします。
──何でしょうね、その吹替マジックは?
坂本:長尺の映画1本録るのとは違って、シリーズを一緒にやっていくと、やっぱり自然とそういうものが生まれてくるんでしょうね。実際は年齢もバラバラだったりするのに、ハイスクールの学生を演じていると、疑似的に学生時代に戻ったような感じもしつつ。吹替チームとして考えると、森川さんはもちろん先生役ですけど、私たちにとっては早川さんがこのチームの顧問のような感じだったので、ファイナルの一番最後のアフレコが終わった時に、みんなで何か早川さんにしたいという気持ちになって。それでドラマに大きなトロフィーが出てくるので、「あれにそっくりなトロフィーを作って早川さんに差し上げるのはどうだろう?」「でも多分迷惑だろう。家に持って帰っても会社に置いても邪魔だろうね」なんてあれこれ話してました。

早川:(爆笑)
──あのトロフィー、相当大きいですよね(笑)。
坂本:でもやっぱり、あの大きさじゃなくちゃ『glee/グリー』じゃない!という事で、マッキンリーカラーの赤が入ってて、トップにマイクを持った人型の載ったトロフィーを、感謝を込めて早川さんにプレゼントしたんです。そういう、何かお返ししたいという気持ちに自然となってしまう、本当に先生みたいな存在でしたね。

早川:いやあ……ありがたいです。

●声優の中にもファンが多数! 「出たい」という声で出演が決まった人も

──まさに『glee/グリー』らしいエピソードですね。他の現場ではどうなんでしょう?
坂本:もちろん、他の現場でも長くやっているとファミリーといった感じにはなるんですけど、『glee/グリー』みたいに6シーズンもやってるドラマって……

早川:なかなかないんですよね。
──長いシリーズと言っても作品それぞれにカラーがありますし、吹替の現場もさまざまですが、これは『glee/グリー』ならではだな、と思うところはありますか?
早川:そうですね、先輩の声優さん、例えばビースト(アメフト部コーチの女性教師)役の片岡富枝さんのようなベテランの方でも、一緒に全力疾走する感じですね。本番になると、みんなが一斉に走るんです。片岡さんが「あなた面白いお芝居するわね」と言ってくださったりとか、先輩方もすごく若手の事を見てくださって、尊重してくれる現場だなと思います。

坂本:『glee/グリー』は、放送が始まってから観てくださっている役者さんがすごく多いんですよ。他の現場で『glee/グリー』やってるよね、って言われる事も多かったし、あと「出たいんですけど」って仰る人も多かったです(笑)。

早川:多かった、多かった。言われました(笑)。

坂本:「どうやったら出られるの?」って訊かれて、それで実際に出てきた人もいます(笑)。

早川:出てきた出てきた(笑)。高島雅羅さんなんかは「『glee』好きなのよ、シーズン1から観てるのよ~」と仰っていて、ちょうどサンタナのお母さん役を探してたんで、これは!と思って即決でした。すぐに電話して、ご出演いただきました。
──それはすごいですね。しかもサンタナのお母さんも一度きりじゃなかったですもんね。忘れた頃にひょっこり出て来る(笑)。
坂本:妖しいフェロモンを出しているお母さんでしたよね(笑)。
──これは吹替とは関係ないですが、お母さん役を演じたのはグロリア・エステファンで、彼女は大ヒット歌手なのに、最初は登場しても歌わない。それにもビックリでした。大物シンガーを起用しておきながら歌わせず、最後の最後でようやくちょっと歌ってましたが、そんなに引っ張るか、と(笑)。そういうサプライズもありつつ、ゲストも豪華なドラマでしたよね。
坂本:例えばリッキー・マーティンとかジェフ・ゴールドブラムとかグウィネス・パルトロウとか、ビッグネームの方が多く出ていて。あの声誰がやるんだろうって楽しみもありました。
──ゲストもかなり濃いキャラが多いので、キャスティングのし甲斐があったんじゃないでしょうか?
早川:そうですね。『glee/グリー』の登場人物にはゲイのキャラクターも多いじゃないですか。僕もそんなに詳しいわけではないですが、一口にゲイと言っても色んなタイプの方がいると思うので、同じゲイを演じるのでも、違いをつけなくてはいけないというのはありました。この6年でゲイのキャラクターのキャスティングは上手に……上手に?(笑)というか、相当勉強になりました。違いをどうつけるかという面で。

●「ファイナル・シーズン」で、これだけは見逃せないポイント

──意外と難しいですよね。みんながみんな、分かりやすくオネエみたいなわけではないですし。本当に濃いキャラクターが多いという意味では『glee/グリー』は特殊な作品だったと思いますし、それだけ見どころも多い作品なんだと思うのですが、ファイナル・シーズンに限って言うと、これだけは見逃せないというポイントはありますか?
早川:新たにグリー部がスタートして、そこからどう始まって終わっていくのか、そこですかね。新メンバーが入ってきて、レイチェルたち卒業生がどう関わり、それが彼らの成長にどう繋がって最終回に繋がるのか。

坂本:やっぱり、さっき話に出てきた過去に繋がるエピソードかな。あのラストシーンはシーズン1の映像をまんま使用してるんですけど、長年『glee/グリー』を観てきた人にとっては、本当に感慨深いものがあると思います。ファイナル・シーズンは、ずっと観てきた方なら、1話、1話噛みしめて観てしまうエピソードばかりなんです。今までの出来事を全て回収していくシーズンなので。今まで色んな事があったけど、みんな少し大人になって、また歯車が噛み合って走り始めたんだな、っていう事を自分の事のように感じながら、時に親のように、友達のように見届けるシーズンですから。

早川:本当にそうですね。
──『glee/グリー』は6年続きましたし、他にも長く続いている作品はいろいろありますよね。坂本さんの場合は平行してお仕事される事も多いと思うのですが、そういう時、役の切り替えはどうしているんですか?
坂本:割と現場に入ると自然のその役になっていくので、意識的に変えなきゃ、というのはあまりないですね。『glee/グリー』で言えば、レイチェルを演じているリア・ミシェルのクセみたいなことがだんだん分かってくるんです。息を吸ってから話し始めるまでの間とか、考えなくても合ってくるようになるんですよね。やっぱりこれだけやってると、声のトーンとか、自然と通じるようになってきます。あれこれ考えなくても自然に出てくる感じですね。

●吹替版で大切なこととは? 声優と演出家が明かすそれぞれの思い

──坂本さんが声のお仕事をする上で、一番大切にしている事とは何でしょう?
坂本:やっぱり(演じている自分の存在を)忘れてもらう事ですね。「この声、誰がやっているんだろう」という事は一切思い出さないでほしいです(笑)。これは演技だけじゃなく、効果音や全体のミックスも関係してくるものだと思うんですけど、それくらいフィットしているのが作品のためだと思いますし。多くの人が初めて映画を観るのは、映画館に行くよりもまずTVの吹替版だと思うんです。私自身もそうだったんですが、でも子供の頃だから、それが吹替えられているものだなんて知らずに観ていたわけで、アーノルド・シュワルツェネッガーの声は、玄田哲章さんの声そのものだと思って観ていて、それが自然だったんです。そのくらいになっていたいですね。

 吹替版って、印象に残るセリフがいっぱいあるんです。『ダイ・ハード』のあのシーンであんな事言ってたな、とか今でもしっかり覚えている。実際はオリジナル(原語)通りのセリフではなかったりするんですけど、この映画ならこのセリフ、とか、この役と言えばこの声、というのが浮かんでくる。自分はそうやってたくさんの作品を観てきたし、何も考えずに作品に没頭できるのが吹替版の良さだと思うんです。いま声優っていう職業がすごく注目されるようになってきて、誰がやっているのか調べればすぐに分かる時代ですけど、昔は誰が演じているのか分からない事も普通だったし、クレジットも入らなかったりしましたよね。でも、それで良かったのにと個人的には思ったりもします(笑)。そのくらい裏方で、でも観た方の印象に残るような吹替版に携われたらいいなって思いますね。
──では、早川さんが演出する上で大事にしている部分とは何でしょうか?
早川:オリジナルの持つ面白さを、日本語にした時に少しでも出せたらいいなと思ってます。すごく難しいんですよ。翻訳の方の技量も大事だし、演じている方の技量も大事だし、うん、難しいですね。
──本当に指揮棒を振るコンダクターですよね。全てを噛み合わせなくてはならないし、逆にそこがやりがいでもあるでしょうし。『glee/グリー』を担当されていて、手応えを感じた部分はどんなところでしたか?
早川:何というか、ひとつになる瞬間があるんですよね。みんなの気持ちがグワーって。僕が最初に日本語版を観られる立場にあるので、しかもすごく良い音で聴けるから、本当に感動して揺さぶられるんです。ま、泣くんですけど。

坂本:よく泣くんですよ(笑)。

早川:何回も泣きましたね。優勝したシーンでもガヤひとつにしてもそうだし、ニュー・ディレクションズ(グリー部のチーム名)が「アーメイジング!」ってやるところも、ああいうところひとつひとつが、声優さんたちも気持ちが高まってひとつになっているのが感じられて感動します。坂本さんで言うと、レイチェルが悲しんでいる時の声が本当に悲しくて、嬉しい時の声もそうだし、感情がすごく伝わってくるので、もう大変でしたね。

坂本:(笑)。

早川:泣かされてました。いい意味で(笑)。

坂本:レイチェルは普段ウザいので(笑)、たまに弱気を見せると急にこんないい子だったんだ、って気持ちを持ってかれるんですよね(笑)。
──上手くできてますね(笑)。
早川:ファイナル・シーズンでもレイチェルがミュージカルに復帰するしないで「怖いんです」って弱音を吐くところがあるんですけど、そのお芝居が本当にお上手で。坂本さんもミュージカルもやられているので、どこか通じるものがあるのかもしれませんが、あれはすごいと思う演技でした。
──『glee/グリー』の登場人物は、卒業後にエンタメ業界に進む人も多いですけれど、やっぱり声優さん的には、ご自身に通じるものがあったりするんですか?
坂本:オハイオのあんな田舎町なのにスゴイですよね、あの学校は。急にビヨンセの前座になったり(笑)。それは見ていると「またまた~」って思っちゃうじゃないですか。いかにもドラマだからって。でも最後の最後にスー先生が「これはそういう話だ」ってまとめて、あの演説でまた泣けちゃうんですよ。分かっててやってたんだな、あの夢物語はそれでいいんだって。一応私たちもエンタメ業界に関わっているからイメージしやすい部分もあるにはあるんですけど、それ以上に何に共感できたかって言うと、役者なんかやろうと思っている人は、だいたいどこにもなじめなかった人なんですよ(笑)。

早川:そこですか!(笑)

坂本:まあ、クイン(水樹奈々が声を担当した、チアリーディング部のスター)みたいに昔から可愛くて美少女であっという間に芸能界に入って……なんて人は、ほんのちょっとしかいないんです! だいたいみんな、ぱっとしない10代を送ってきた人ばっかりなので(笑)。周囲に馴染めないグリー部のメンバーを見ていると、自分もそんな学生生活を送っていたなあって思い出すんですよね。でも、そういう人たちが、周囲からバカにされつつ役者を目指して、なんとなく今ここで仕事ができている、というところまで来て……きっとそれぞれ共鳴する部分があると思うんです。

役者じゃなくても、世の中の人の多くが周りの人と違うって、少なからず他人と自分の違いで悩んだりすると思うんですよね。『glee/グリー』はそういう人たちしか出てこなくて、その人たちが堂々としてたり、あるいは悩んだりしているところに勇気づけられる。観ている人たちが自分に重ねやすいキャラクターが必ずひとりはいるから、身近に思えるんじゃないですかね。

●坂本真綾、早川陽一、それぞれの仕事を始めたきっかけとは?

──では、これからおふたりのお仕事についておうかがいしたいのですが、そもそもこの仕事を目指した理由とは何だったんでしょう?
坂本:それ聞きたいです! どうして早川さんが演出家になったのか。
──今は声優さんのお仕事も注目されていますし、演出家になりたいと思っている人も多いと思うんですけど、どうすればなれるのか分からないって人もたくさんいると思うんです。
早川:僕の場合はディレクターになりたかったというより、ドキュメンタリーを作りたいと思ってこの業界に入ったんです。だから吹替の事はよく知らなかったんですけど、ひょんな事から日本語版制作の部署に空きができて。最初は海外のドキュメンタリーなんかを担当してたんですけど、ナレーションだとあまり感情は込めないじゃないですか。でも僕はコメディが好きなので、人の喜怒哀楽を表現できる吹替の仕事をやってみたいと思うようになって。それから徐々に、吹替版の仕事もやるようになったという感じです。
──最初に演出としてクレジットされた作品は何だったんですか?
早川:それ、言っちゃっていいですか? 『暗黒ベビィ ビクチム』(2004年アメリカ製作のホラー)っていう(笑)。

坂本:(爆笑)スゴイ! 何ですか、それ?(笑)。

早川:(笑)。いやなんかエログロのSMっぽいモンスター作品です。『暗黒ベビィ ビクチム』は超マニアックな作品ですね(笑)。
──タイトル聞いただけで超気になりますね(笑)。ものすごい出オチ感!
坂本:すごく興味ある(笑)。

早川:宮本充さん(劇団昴所属。キアヌ・リーヴス、イーサン・ホークなどのFIX声優)が声をアテたキャラクターが、ビシバシやられるっていう……(苦笑)。

坂本:すごい……(笑)。

早川:そこからスタートです、はい(笑)。

坂本:それ、吹替版を作った方がいい作品だったんですか? わざわざ吹替版を作ったんですよね?(笑)。

早川:どうですかねえ。でもマニアな方は知っているかもしれません。

坂本:(笑)。
──出発点がそこというのが、かなりイイですよね。TVシリーズを手掛けるようになったのは?
早川:外画のアニメの演出はやってたんですよね。『ルーニー・テューンズ』(1930年代から70年にかけて製作された米ワーナー・ブラザーズのアニメ・シリーズ)のベビー版とか。実写は中国ドラマが最初だったかな。
──国によってもやっぱり演出は違ってきますか? 今はアメリカだけじゃなく、中国やイギリス、韓国など色んな国のドラマが日本に入ってきていますよね。
早川:違いますね、やっぱり。話し方でも各国で言葉の強さが違ったりするので、そこは一番違いを感じますね。
──すいません、せっかく真面目に答えてくださっているのに、いまだに『暗黒ベビィ ビクチム』のタイトルが頭から離れません(笑)。
坂本:でも早川さんらしいですよね(笑)。

早川:そうですよね! 今も『シェイムレス/俺たちに恥はない』(ウィリアム・H・メイシー主演のコメディ)もやってるし。

坂本:早川さんが演出されるのは、変わった人が出てくる作品が多いんですよ(笑)。

早川:そうなんです。変人が出てくるものが(笑)。
──相性が良いんですかね?(笑)。
早川:そうですねえ……僕も日の当たらないところというか、日蔭で生きてきた人間なので、すごく親近感があります(笑)。
──でもコメディが好きとおっしゃってましたし、そういう意味では『シェイムレス』も『glee/グリー』も通じるものがありますね。
坂本:早川さんはピアノを弾かれるので、音楽的な部分も良くご存じですし、『glee/グリー』はピッタリの作品だと思います。
──そうした音楽的素養も、『glee/グリー』を担当する決め手のひとつになったんですか?
早川:最初は声優たちが歌うかもしれないって話があったんですよ。それで運良くやらせていただいたんです。実際に歌も吹替だったら大変な事になってたでしょうね。

坂本:収録に何日かかったか……(笑)。

●坂本真綾は、QUEENのカバー曲は許せなかった!?

──坂本さんも音楽活動をされていますし、『glee/グリー』を観ていて音楽面で刺激を受けたところはありますか?
坂本:それは毎回ありましたね。原曲を忠実にカバーしている場合もあれば、ガラっと違うアレンジしているものもあるので、あの曲がこんな風になるんだ、というのは毎回楽しかったし、逆に『glee/グリー』で知った曲を原曲までさかのぼって調べたりもしました。それから私はQUEENが大好きなんですけど、ゆえにQUEENのカバー曲はだいたい許容できない(笑)。

早川:(爆笑)
──ああ、それ分かります。
坂本:でも『glee/グリー』に関しては全く別で。私は「Somebody to Love」という曲が大好きで、それを『glee/グリー』でやった時、心から「いいな」って思ったんです。歌詞の内容もストーリーにピッタリで、最後にメルセデスがすごいフェイクして、迫力があって、あのカバーがすごく良かったので、その後もQUEENの曲はいっぱい出てきますけど、『glee/グリー』のQUEENカバーは大好きでした。
──QUEENとなるとやっぱりフレディ・マーキュリーのあの声が強烈ですから、「納得がいかないカバー曲ランキング」なんかがあったら、まず間違いなくランクインすると思えるくらい、ファンの思い入れが強いですよね。なのに、あえてそこに挑戦するというのがスゴイですよね。
坂本:本当に。でもストーリーにすごく合っている歌詞を選んでくるので、毎回その曲を単発で聴くよりも、心の流れのまま聴けるので、この歌詞はこういう意味だったのかって感じられる。だから、よりその曲が好きになるんですよね。

●子役からスタートした坂本のキャリア──ターニング・ポイントとなった作品は?

──話は戻りますが、坂本さんは子役の頃からお仕事をされているので、意識的にこの世界に入ったというよりは自然とこの道に進んだという感じですか?
坂本:そうですね。8歳の時に児童劇団に入って、割とすぐ吹替のお仕事をするようになって。海外ドラマの『頑固じいさん孫3人』(1987年から89年かけてNHKにて放送)という作品で、ゲストの1回だけだったんですけど、その時初めて、私がいつも見てきたテレビは、このようにして吹替えられていたという事実を知ったんです(笑)。そこから結構たくさん子役としてやらせていただいたんですが、自分にはすごくちょうど良かったというか……。あんまり前に出るのは好きではないのに、なぜか劇団には入っていたんですよね。注目されたいと強く思うほど「自分が自分が」というタイプではなかったんです。ただ単に学校と違う場所に自分の居場所があって楽しいなという感じでした。吹替のお仕事は自分の顔が出るわけではないし、学校でも気付かない人がたくさんいるんだけど、でも自分の人生では経験できないような色んな役を演じることができる。それがものすごく解放感があって、自分に合っていたんだと思います。
──子供の頃から声優の仕事をしてきて、ターニング・ポイントになった作品は何だったんですか?
坂本:小さい頃って、子供だっていうだけで成り立ってしまう部分もあったんですけど、10代半ばからそれだけでは通用しなくなって。自分でも自信がなくなってくるし、その時は殻を破れなかったというか、10代なので恥ずかしいという気持ちもあって、どこかで思い切ってできない部分がありました。そんな時に『パパにはヒ・ミ・ツ』(2002年から05年に渡って米ABCにて放送。日本ではNHKでシーズン2までが放送された)というシットコムの吹替の仕事をいただいて、いわゆるギャルの役だったんです。今までは割と清純派な、いわゆる正統派の少女ばかりやってきたのに、とんでもなく弾けた女の子の役で、自分でも意外だったんですけどめちゃくちゃ面白かったんです。自分にはない引き出しを開けてもらったという感じで、思いっきり演技できました。自分はコメディが好きなんだという事にも気付きましたね。普段はできないことも役ならできるという、子供の頃に感じた解放感にまた辿り着いて、そこからコメディの仕事も増えましたし、色んな役をやらせていただく機会が増えたので、私にとっては大きな作品でした。

 ターニング・ポイントとは関係ないんでが、あのドラマも主役の方(ジョン・リッター)がシーズン途中で亡くなってしまって大変でしたね。でもコメディだからこそ、その悲しみを笑いに変えていくったのは、すごくポジティブなメッセージになると思いました。

●早川に“ムチャぶり”を開眼させたのは、納谷六朗だった?

──早川さんは、自分が手掛けた作品の中で、ターニング・ポイントになった作品とはどれなんでしょう?
早川:『スポンジ・ボブ』(米ニコロデオン製作のアニメーション。日本でもNHKほかで幾度となく放送されている)という作品を一時期やらせていただいてまして、イカルド役の納谷六朗さんが、あんな大御所の方なのに何役も担当するんです。それを「○○○な生き物だから、こういう風にしてください」と演出するわけですが、年齢もバラバラで生き物の種類もバラバラなものを演じ分けられているのを見て、こんな風にやるんだ、こんなに人ってダブれるんだ(※複数演じ分ける)って。もちろんあの方だからこそだと思うんですけど、大御所の方はこんなに引き出しを持っているんだと驚かされましたね。その頃からなんかムチャぶりって……してもいいのかな、って思うようになったかもしれません(笑)。

坂本:多いんですよ、ムチャぶり(笑)。私はそうでもなかったですけど、結構みんなムチャぶりをされてましたね。

早川:してましたか?(笑)。

坂本:みんな早川さんに鍛えられたと言ってますよ。「もう全部の引き出し開けたのに、まだやれって言われる」って(笑)。自分でも気づいてないこんなところに引き出しがあったんだ、みたいな(笑)。「早川さんには声優としてすごく鍛えられる」と仰る方はいっぱいいますね(笑)。
──『glee/グリー』では誰が一番ムチャぶりされる事が多かったんですか?
早川:複数の役をやられる方は、全部違う人に見せなくてはいけないので大変だったと思います。

坂本:ブリトニー役の山根(舞)さんは、他にも体の大きなローレンなど掛け持ちする役もたくさんあって大変そうでしたね。最初はそれぞれ別々のシーンだったのが、いつの間にか一緒に登場するシーンが増えてしまったり。気が付けば「このグリー部員に山根舞が3人いる!」みたいな事態になって(笑)。でも演じ分けが素晴らしかったので、視聴者の方は違和感なく見られたと思います。
──確かに! 多分クレジットで確認しないと分からないですね。でもそれって『glee/グリー』ならではですよね。最初はチョイ役だった人があんなに出番が増えるなんて想定してないですもんね。ブリトニーも最初はクインのお付きみたいな存在だったし、ローレンだって最初はそんなに出てくるはずもない人だったのに、セミ・レギュラーくらい出番が増えましたし。
早川:コンサートにも出てましたからね。
──でもそのムチャぶりは意識的にしてやろうと思ってやっているところがあるんですか? もちろん嫌がらせ的な意味ではなくて(笑)。
早川:いやいやそんな事ないですよ(笑)。だいたいテストを聴いた時にふと思いついちゃう事が多くて、こうしたら面白いかなあと思った事を、「お願いします」ってやってもらう感じで。みんなすごく頑張ってやってくださって、申し訳ないなって思うんですけど、でもいろいろやっちゃいました(笑)。
──坂本さんは忘れられないムチャぶりはありますか?(笑)。
坂本:私にはあんまりないんですけど、ローレンのしゃべり方を真似してくれって言われた事が1回ありましたね(笑)。

早川:そうでしたっけ?(笑)。

坂本:なんか「ローレンがこれこれ言ってたよ」っていうだけのセリフだったんですけど、その「これこれ」の部分でローレンの話し方を完コピして欲しいって言われました。ローレンはちょっと特徴のある話し方だったので、それはそれで面白かったですが。あと、これはムチャぶりではないんですけど、夢の中でキャラクターの中身が入れ替わるエピソードがあって。

早川:あー、あれは面白かったですね。

坂本:ずっとシリーズをやってきた仲間のモノマネを、本人の前でしなくちゃならなかったのは、結構みんなしんどかったんじゃないかと思います(笑)。でも吹替版ならではのモノマネ大会でしたね。

早川:日本語版をやっている方の特徴を掴んでほしいという事でしたが、みなさん上手でしたね(笑)。

●演出家が語る「坂本真綾」、そして声優が語る「早川陽一」

──では演出家から見て、声優としての坂本さんの魅力とはどんなところなんでしょう?
早川:坂本さんって僕はアスリートだと思うんです。一緒にお仕事をするようになって、何かを伝えたいという想いがものすごく強い方だなって感じるようになりましたね。「本番!」って言った時に、その伝えたい一心で、駆け抜けるアスリートって感じなんです。あとものすごく情感豊か。役にすごく共鳴される方だと思ってます。
──坂本さんから見て、演出家の早川さんはどんな方ですか?
坂本:変わった方なんだと思います(笑)。普通の感覚では出てこないような表現で演出されるんですよ。他の演出家さんからは絶対聞いた事がないような手法で、指導されてますね(笑)。

早川:えー!? 他の方の演出を見た事がないので、自分では違いが分からないです。

坂本:でも、それが分かりやすい一面もあって。単にここは「悲しげに」とか「早口で」という技術的な事ではなくて、思いもかけない角度から、ちょっとこうしてみて、っていうのが出てくるんですよね。一言しかないセリフの役でも、向こうの役者さんの体つきを見て、例えば肩が張っている人だったら、「肩のところで音が鳴るような声を出してみて」とか、顔の形が特徴的だから、「あの顔から出てきそうな声で話してみて」とか。でもそれって大事な事だと思うんです。『glee/グリー』で言えば、キャラクターの隠された心情の変化があるので、単にコメディで面白くすればいいというのではなく、その面白さの中に、その実こういう背景があるからというのを常に思い出させてくれる方ですね。
──これまでたくさんの吹替の現場を経験されてきて、その中でも早川さんの現場は個性的な感じでしょうか?
坂本:そうですね。例えばドラマの中で誰かがカップルになったりすると、「今週から隣の席に座ってください」と言われたり(笑)。

早川:え、他の現場ではないんですか?

坂本:ないですよ~。あとアフレコにまだ慣れてないという人が、マイクの前に立ってなかなか上手く行かなかったりすると、画面の中と同じように相手役の女の子を前に座らせて、そのシーンを再現して収録したりとか、色んな方法を試させてくれますね。それは、キャストの心情がお芝居にもきっと出ると思ってらっしゃるからですよね?

早川:そうなのかな……(苦笑)。

坂本:先々の話もあんまり教えてくれないんです。言っておいた方が良い人だけ呼び出して、こっそり教えるんですよね。

早川:そうそう、それはやりますね。

坂本;ストーリーによっては、私たちは知らない方がいい事もあるので、そういうのをすごく繊細にコントロールしていらっしゃる。
──でも、実際アメリカのTVシリーズの撮影でも、そういう事をよくやるんです。『24 -TWENTY FOUR-』なんかは演じる俳優も誰も先の展開を知らずに演じていて、シーズン1で悪役だったニーナ役のサラ・クラークとか、自分はずっと正義の側にいると思って演じていたのに、いきなり自分の役が裏切者だったと知らされたんですよ(笑)。 そういう意味では、早川さんの演出はハリウッド流とも言えますね(笑)。
早川:いやいや。でも純粋に驚いてほしいという気持ちはありますね。なんかサプライズを残しておきたいだけなんです。

●声優、演出家を目指す人へのアドバイス

──声優や演出家、それぞれその道を目指そうと思っている方に何かアドバイスはありますか?
早川:うーん……難しいですね……。ただ最近、原音に合わせましょうというお仕事も増えてきていて、正直僕はそれを窮屈に感じてしまう事もあるんですけど、吹替版はまた原音とは違うもので、吹替版もいいね、と思ってもらえる面白いものを出していきたいと考えているので、それに向けて一緒に頑張りましょう、という感じでしょうか。どんどん新しい吹替を作っていってほしいですね。
──名前の表記にしても、今は原音主義が主流になってきてますけど、実際問題、日本語吹替ではまんま原音通りにはいかないですよね。そういう意味では吹替版というのはいかに名セリフを生み出すか、腕の見せどころでもあると思うのですが、言葉に対する知識はやっぱり重要になってきますか。
早川:声優さんになりたい方へのアドバイスになってしまうかもしれませんが、色んなシチュエーションで、色んな日本語が聞こえるものをたくさん観た方がいいと思います。日本のドラマなんかもっと観てもいいと思うし、街に流れている声とか、あとお笑いとか、そういうたくさんのものを観て蓄積していってほしいですね。

坂本:本当におっしゃる通りだと思います。これはどんな仕事にも当てはまると思うんですが、声優になりたいと思った時に、関係ない事はないと思うんです。旅行に行くとか、恋をするとか、本を読む、勉強をする、何でもいいんですけど、色んな事をとにかくたくさん経験する。やっぱりそれが役柄を演じる上で、何らかの自分の体験が裏付けになって表れてくる演技ってあると思います。声優として滑舌に注意する、大きな声を出す、それも必要な事ですが、自分の内面にどれだけ体験が蓄積されていくかというのが大事なんじゃないかな、と。関係のない事なんて1つもなくて、全てが取材だと思って日々生きるという感じですかね。
──おふたりは何か影響を受けた作品などはありますか?
坂本:私は『カイロの紫のバラ』という作品です。子供の頃にあの映画を観て、こんな終わり方でいいの?と思った事が強く印象に残っています。映画ってだいたいハッピーエンドじゃないの?って(笑)。でも、ひとりの女性が映画で救われるという「映画」を観たっていう、それがすごく大きかったですね。映画ってそういうものなんだな、って。

早川:僕は『インド夜想曲』という作品ですね。フランス映画なんですけど、すごく印象的な作品でした。

●これからやってみたい作品、そして『glee/グリー』ファンへのメッセージ

──今後やってみたい作品などは?
早川:なんでしょうね。(坂本さんに)ありますか?

坂本:私は……やっぱりシットコムをやりたい(笑)。やっぱりあのラフ(観客の笑いや拍手)が入ってくる手法って海外ドラマ独特で、でも最近減ってますよね。あれって向こうでは撮った後にラフを付けてると思うんですけど、日本語吹替では、すでにラフが入った状態で収録するので、その笑いを誘う演技を後からしなければならないので、それがすごく面白いんです。今は凝った作品や、TVドラマなのにCGをバリバリ使った豪華な作品がいっぱいあるけど、いつも同じセットで決まった場所からしか人が出てこない、「あの感じ」のシットコムを、もう1回やってみたいと思うんです。(スタッフに)ぜひお願いします(笑)。

早川:いいですね、シットコム。やった事がないのでやってみたいです。(スタッフに)お願いします(笑)。
──では最後に、長年『glee/グリー』を見てきたファンの方へ一言お願いします。
坂本:『glee/グリー』を吹替版で最後まで見続けてくれた方には、本当にありがとうございましたとお伝えしたいですし、吹替キャストも本当にみんな愛情を込めて携わってきて、ファイナルをいい形で迎えられたので、それを一緒に共有していただけたらと思います。本当に『glee/グリー』が大好きな方ってたくさんいて、私がこうして普段話している声を聞いて「あ、レイチェルの声だ」って言われる事も多くて、そういう役にめぐり合える事ってなかなかない事なんです。だから私も、私自身の事は知らなくても『glee/グリー』のレイチェルね、と分かってくれる人がいる、そんな役に出会えた事に感謝しています。作品自体は終わってしまいますけど、ずっと残りますから、何度でも繰り返し観ていただけたらと思います。

早川:スタッフもみんな『glee/グリー』が好きだし、キャストの方もそうですし、本当にみんなで力を合わせてひとつの想いを込めて作った吹替版ですから、みなさんもぜひ楽しんでいただけたらと思います。
(2015年8月14日/於:東北新社/取材・文:幕田千宏/協力:東北新社、フィールドワークス)

坂本 真綾(さかもと まあや)【プロフィール】

1980年3月31日生まれ、東京都出身。幼少の頃より劇団の子役として活躍し、洋画や海外ドラマの吹替に多数出演。CMソング、舞台、ナレーションなど幅広い活動を行なう。洋画吹替では、ナタリー・ポートマン(アミダラ・パドメ『スター・ウォーズ エピソード1、2、3』、ニナ『ブラック・スワン』、ジェーン『マイティ・ソー』)、ジェシカ・アルバ(スーザン『ファンタスティック・フォー』日本テレビ版、マックス『ダーク・エンジェル』テレビ朝日版)、ミア・ワシコウスカ(アナベル『永遠の僕たち』)などを持ち役とする。アニメでは、『天空のエスカフローネ』(神崎ひとみ)、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(ルナマリア・ホーク)、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破、Q』(真希波・マリ・イラストリアス)など。

早川 陽一(はやかわ よういち)【プロフィール】

1972年2月生まれ。音響演出家。東北新社所属。主な演出作品に、TVシリーズ『glee/グリー』、『シェイムレス/俺たちに恥はない』、『ハンニバル』、『FRINGE/フリンジ』、『CHUCK/チャック』、『ルーニー・テューンズ・ショー』、映画作品『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』『ジャンゴ/繋がれざる者』『一枚のめぐり逢い』『アンコール!!』『ローマ法王の休日』など。特技・趣味は、ピアノ演奏、絶対音感、作曲、散歩。

解説&ストーリー

 2009年の放送スタートから足かけ6年(日本放送開始は2010年)、全世界を夢中にさせた大ヒット・ドラマがついに最終シーズン。『glee/グリー ファイナル・シーズン ブルーレイBOX』としてリリースされる。アメリカの田舎町の高校を舞台に、かつて自分も在籍したグリー部の顧問となった教師ウィルが、はみ出し者だらけの部員とともに州大会優勝を目指す物語は、ストーリーとシンクロする幅広いヒット曲のカヴァー・パフォーマンスとも相まって多くの熱烈ファンを生み、さらにはゴールデン・グローブ賞、エミー賞、ピープルズ・チョイス・アワード、サテライト賞など、数々の賞にも輝いた。企画・製作総指揮ほかを務めたライアン・マーフィーは、ヒット・メイカーとしての絶大な人気を獲得、2011年からスタートしたホラー・ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』も大ヒットさせている。今シーズンでは、廃部を余儀なくされたグリー部を復活させるべく、卒業生たちが母校に再結集。フィナーレへ向けて“原点回帰”するドラマ展開が見ものだ。

吹替のポイント

 長年に渡るシーズン放送、多彩なキャラクターが登場する作品だけに、日本語吹替版キャストもベテランから若手まで、バラエティ豊かなメンバーが集まった。メインキャストの教師陣には、キアヌ・リーブス、トム・クルーズらの吹替のほかアニメでも大活躍の森川智之(ウィル役)、野沢由香里(スー役)、日高のり子(エマ役)が名を連ね、グリー部のメンバーには、坂本真綾のレイチェル、小野大輔(「涼宮ハルヒの憂鬱」)のフィン、ケイト・ウィンスレットの吹替で知られる林真里花のメルセデス、石井真(「蒼穹のファフナー」)のカート、歌手としても活躍する水樹奈々(「ハンガー・ゲーム」シリーズ)のクインらが揃っているのだ。また、シリーズを通じ、セミ・レギュラーやゲスト役として「けいおん!」の日笠陽子(生徒シュガー役)、「鋼の錬金術師」の朴璐美(NYADAのダンスクラスの教師)のほか、一龍斎春水(麻上洋子)、藤原啓治、池田昌子、高島雅羅、高橋広樹らが参加している点にも注目したい。

新着情報
外国映画を吹替え版でより楽しんで頂くためのサイトが誕生!吹替え専門サイト ふきカエル大作戦!!
  • L.A.コンフィデンシャル製作20周年記念版
  • 「コマンドー」アンコール発売
  • ヒート
  • エイリアン2
  • ID4
  • X-ファイル
  • ウェイワード・パインズ 出口のない街
  • ダイ・ハード/ラスト・デイ

新着情報

2017.10.06「エイリアン2」田中秀幸インタビューを追加しました。

2017.09.22傑作吹替視聴室Vol.26:『猿の惑星』を追加しました。

2017.09.01「エイリアン2」鈴木弘子インタビューを追加しました。

2017.08.25傑作吹替視聴室Vol.25:『エイリアン』を追加しました。

2017.08.04「インデペンデンス・デイ」古川登志夫インタビューを追加しました。

2017.07.28傑作吹替視聴室Vol.24:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を追加しました。

2017.07.03『インデペンデンス・デイ』山寺宏一インタビューを追加しました。

2017.06.23傑作吹替視聴室Vol.23:『シザーハンズ』を追加しました。

2017.05.26傑作吹替視聴室Vol.22:『LOGAN/ローガン』公開記念!を追加しました。

2017.04.28『ヒート 製作20周年記念版<2枚組>』菅生隆之【後編】インタビューを追加しました。

2017.03.31『ヒート 製作20周年記念版<2枚組>』菅生隆之【前編】インタビューを追加しました。

2017.02.24『ダイ・ハード/ラスト・デイ』樋浦勉インタビューを追加しました。

2017.01.27『サンズ・オブ・アナーキー』森川智之&五十嵐麗インタビュー【後編】を追加しました。

2017.01.06『サンズ・オブ・アナーキー』森川智之&五十嵐麗インタビュー【前編】を追加しました。

2016.12.22『ホーム・アローン』矢島晶子インタビューを追加しました。

2016.12.09『ホーム・アローン』折笠愛インタビューを追加しました。

2016.10.21『王様と私』壌晴彦インタビュー【後編】を追加しました。

2016.10.07『王様と私』壌晴彦インタビュー【前編】を追加しました。

2016.09.09『X-ファイル』戸田恵子インタビューを追加しました。

2016.08.19『ターミネーター』小山力也インタビューを追加しました。

2016.08.12『ターミネーター』大友龍三郎インタビューを追加しました。

2016.07.22『マイノリティ・リポート』佐藤拓也【後編】インタビューを追加しました。

2016.07.08『マイノリティ・リポート』佐藤拓也インタビューを追加しました。

2016.06.24『コマンドー』若本規夫インタビューを追加しました。

2016.06.10傑作吹替視聴室Vol.21:吹替の名盤特集第四弾を追加しました。

2016.05.27『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』小杉十郎太&相沢恵子&春日一伸インタビューを追加しました。

2016.05.13『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』福永莞爾&平田勝茂インタビューを追加しました。

2016.04.15傑作吹替視聴室Vol.20:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集第3弾を追加しました。

2016.04.01傑作吹替視聴室Vol.19:吹替の名盤特集第三弾を追加しました。

2016.03.18傑作吹替視聴室Vol.18:吹替の名盤特集第二弾を追加しました。

2016.02.29傑作吹替視聴室Vol.17:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集第2弾を追加しました。

2016.01.29傑作吹替視聴室Vol.16:『X-ファイル コレクターズブルーレイBOX』特集を追加しました。

2015.12.04『ウェイワード・パインズ 出口のない街』津田健次郎インタビューを追加しました。

2015.11.13『glee/グリー』坂本真綾&早川陽一インタビューを追加しました。

2015.11.12傑作吹替視聴室Vol.15:吹替の名盤特集第1弾を追加しました。

2015.10.16『Fargo/ファーゴ』森川智之インタビューを追加しました。

2015.09.30『コマンドー』玄田哲章&土井美加インタビューを追加しました。

2015.08.14『エイリアン』大塚明夫インタビューを追加しました。

2015.08.14『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』田中敦子インタビュー第1弾を追加しました。

2015.07.14『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』小山力也インタビュー第3弾を追加しました。

2015.07.19『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』小山力也インタビュー第2弾を追加しました。

2015.06.30吹替の帝王『エイリアン』幸田直子インタビューを追加しました。

2015.06.30『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』小山力也インタビューを追加しました。

2015.06.30吹替の帝王 公式サイトをリニューアルオープンしました!

  • INTERVIEW
  • メルマガの登録はこちら!
  • 外国映画を吹替え版でより楽しんで頂くためのサイトが誕生!吹替え専門サイト ふきカエル大作戦!!
Page Top

吹替の帝王シリーズ

  • 吹替の帝王シリーズ誕生 史上最強の「コマンドー」
  • 吹替の帝王第二弾 史上最強の「ダイ・ハード」
  • 吹替の帝王第三弾 史上最強の「プレデター」
  • 吹替の帝王第四弾 史上最強の「ロボコップ」
  • 吹替の帝王第五弾 史上最強の「スピード」
  • 吹替の帝王第六弾 史上最強の「猿の惑星」
  • 吹替の帝王第7弾 史上最強の「エイリアン」
  • 吹替の帝王第8弾 コマンドー30周年
  • 吹替の帝王第9弾 史上最強の「ターミネーター」
  • 吹替の帝王第10弾 史上最強の「ホーム・アローン」
  • 吹替の帝王第11弾「ダイ・ハード/ラスト・デイ」
  • 吹替の帝王第12弾「インデペンデンス・デイ」
  • 吹替の帝王第12弾「エイリアン2」
  • 吹替の帝王 コマンドー 完売につきアンコール発売決定!