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企画協力:フィールドワークス

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コラム

『トラ・トラ・トラ!/製作40周年記念完全版』(ブルーレイ)
“吹替オールスターズ”
『トラ・トラ・トラ!/製作40周年記念完全版』(ブルーレイ)

日本軍の真珠湾攻撃を、日米双方の視点から描いた戦争超大作。米国製の練習機などを改造し、当時の日本海軍の航空機を再現、怒涛のクライマックスでは、これらが実際に飛行してドッグファイトを繰り広げる。CGでは決して成しえない、質感と重量感に満ちた映画史に輝く大迫力シーンを生み出した。
今回のブルーレイでは、日本語吹替音声を初収録している。吹替の配役は錚々たるメンツ。マーティン・バルサム=久松保夫(バート・ランカスターのフィックス、「スタートレック/宇宙大作戦」のスポックなど)、ジェイソン・ロバーズ=羽佐間道夫、ジョセフ・コットン=真木恭介、ジェームズ・ホイットモア=島宇志夫、E・G・マーシャル=富田耕生、エドワード・アンドリュース=中村正、キース・アンデス=内海賢二、ジョージ・マクレディ=大木民夫、ネヴィル・ブランド=今西正男などなど。『大脱走』に匹敵する“吹替オールスターズ”である。野村駐米大使を演じる島田正吾が英語を喋るシーンを、小林清志が吹き替えている点に注目。小林本人も、かつてインタビューで「島田のマネは得意」と語っていただけあり、口調がそっくり。映画の後半で島田本人が日本語で喋るシーンもあるので、聞き比べてみるのも面白いだろう。
本商品は限定4000セット。豪華48ページ特製解説本では、舛田利雄監督への最新インタビューを収録。3時間近くもある特典映像も見どころ満載で、その中の「屈辱の日(20分)」はブルーレイのみの新特典である。

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『アラスカ魂』
ジョン・ウェインの最初のフィックス声優=小林昭二
『アラスカ魂』

本作は、20世紀初頭のゴールドラッシュ時代のアラスカを舞台に、西部の男たちが金鉱権をめぐって騒動を繰り広げる痛快娯楽ウエスタン。主演は《ミスター西部の男》こと、ジョン・ウェイン。その声を担当したのは、小林昭二だった。40代以上で彼を知らない者はいないだろう。「ウルトラマン」のムラマツキャップであり、「仮面ライダー」の立花藤兵衛である。
小林は、小柄で少し神経質そうな顔立ちの俳優だが、自分とは正反対の巨体で豪快なスター、ジョン・ウェインの声を何十本も担当している。実はウェインの声は、体に似合わず高めでガラつきがあり、小林の声と非常に近い。しかも、ウェインの若い頃の顔と、小林の顔はちょっと似ているのだ。当時の吹替のキャスティングでは、「アゴの骨格が近いと、声も近い」というセオリーがあり、それで彼がウェインの声に起用されたのかもしれない。

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『コマンチェロ』
もうひとりのジョン・ウェイン声優=納谷悟朗
『コマンチェロ』

警備隊の大尉とギャンブラーのコンビが、アメリカ先住民に武器を密売する白人組織「コマンチェロ」を壊滅するまでを描くアクション西部劇。恋に友情、そしてラストの馬車と先住民の決死のチェイス、その後の大銃撃戦など、見せ場も満載の一本。
本作のジョン・ウェインの声は、フィックスの小林昭二ではなく、納谷悟朗が担当。納谷といえば、クラーク・ゲーブルやチャールトン・ヘストンが持ち役だが、テレビ朝日「日曜洋画劇場」は、ウェインに納谷をよく起用している(初期は小林昭二をキャスティングしていたのだが)。ウェインに関しては、小林昭二の次に多く声を担当している。
最初にウェインの声を演じることになった際、納谷がウェインの地声に近い声を出すと、演出家にNGを出され、ウェインの体格に合った太い声で演じた、というエピソードがある。ただ、実際に本作を吹替で観てみると、納谷の声はわりと柔らかいトーンで、意外にもウェインの声に近い。『アラスカ魂』の小林昭二の声と聞き比べてみるのも一興だろう。

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『ピンク・パンサー3』
コメディは吹替版で何倍も面白くなる
『ピンク・パンサー3』

いきなり乱暴な結論で申し訳ないが、「コメディは吹替版じゃなければダメ!(除くサイレント映画)」コメディ作品は、動作や表情も笑いの重要な要素。だから、字幕に気を取られてしまうと、笑いの要素を正確に味わうことができない。特に『ピンク・パンサー』シリーズは、笑いの多くがクルーゾー警部の珍妙な動きにあるので(元祖・志村けんといったところか)、画面から視線をそらすのは禁物。吹替版での鑑賞がベストなのである。さらに吹替の長所も存分に生かされている。フランス訛りの英語を喋る設定のクルーゾーの声を担当した羽佐間道夫は、鼻にかかったヘンな訛りで全編押し通す。セリフも「あんたダリ(誰)」「このエア(部屋)」「じぇんぶ(全部)」など、隙あれば訛りまくり。原語のニュアンスは字幕では伝えにくいが、吹替なら問題なく置き換えが可能だ。また、吹替版では笑いどころをオリジナル版以上に追加できる。アバンタイトル(注:プロローグシーンのこと)で入院中のドレフュスが池に落ちたところで、声を担当する内海賢二が暴走。原音では喋っていないのに、「ひ~ひ~、助けてくれ~」と叫びまくり。対する羽佐間道夫も負けじと、クルーゾーが黙ってドレフュスに鋤を差し出すシーンで「ほれほれほれ、にゅっと」と勝手にせりふを追加。全編がこんな調子なので、原音+字幕で観るより、吹替のほうが何倍も笑えるのだ。

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『偉大な生涯の物語』
映画・テレビの名バイプレイヤーの対決が楽しめる吹替
『偉大な生涯の物語』

イエス・キリストの生涯を描いた大作ドラマ。イエス役のマックス・フォン・シドーを吹き替えたのは、個性派俳優の山本学(現表記:山本學)。フォン・シドーとは声の質はまったく違うものの、彼の抑えた演技と落ち着いた語りは、イエスという存在をより神格化することに成功していた。一方、イエスを追うヘデロ王を吹き替えたのは、穂積隆信。こちらも映画やテレビの脇役として有名だが、顔出し出演ではオーバーアクトが割と多い(脇役という自分の立場をふまえての計算だと思われるが)。しかし吹替のときは、『ゴッドファーザー』のジェームズ・カーンや『バック・トゥ・フューチャー』シリーズのクリストファー・ロイドなど、どれも名演技。本作でも、ヘデロ王を演じた名優ホセ・ファーラーに勝るとも劣らない熱演を披露している。ちなみにイエスの言葉は、字幕では平易な日本語であるのに比べ、吹替では新約聖書の表記をかなり意識している。最後のセリフも、字幕は「いつもあなた方と共にいます」だが、吹替は「常に汝らと共にあるなり」と格調が高く、吹替版ならではの魅力だ。

『アンネの日記』
黒澤映画の名女優が主役をアテた貴重な吹替
『アンネの日記』

第二次世界大戦下、ナチスの目を逃れて生活していたアンネ・フランクが遺した日記。世界的ベストセラーとなったこの日記を映画化したのが、本作『アンネの日記』である。テレビで放送された際、主役ミリー・パーキンスの声を担当したのは、黒澤明監督『赤ひげ』でブルーリボン賞の助演女優賞を受賞した二木てるみ。子役時代から映画やドラマで活躍した彼女は、透き通った高めの声の持ち主。滑舌も良く、吹替に進出したのも納得できる。『アンネの日記』では、M・パーキンスの地声にも近く、思春期の少女の心の動きを見事に“声の演技”で表現した。余談だが、彼女はTVアニメ「ラ・セーヌの星」の主役シモーヌ、映画『がんばれタブチくん』シリーズのミヨコ夫人などアニメーションの吹替でも実績がある。

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『パットン大戦車軍団』
プロのアナウンサーが参加した吹替
『パットン大戦車軍団』

1970年アカデミー賞7部門を受賞した本作は、パットン将軍の半生を描いた大作戦争映画である。しかしマッカーサー元帥などと違い、日本人にとってパットン将軍は、いまひとつピンとこない人物。それを補うべく、テレビ放送時の吹替版では、パットンという人物の背景や、戦局についてナレーションが追加された。オリジナルに無いナレーションには賛否両論あるかもしれないが、初めて映画を観る人であっても、映画が進むにつれて、パットンの歴史や北アフリカ戦線などが自然と理解できるようになっている。そしてナレーションを担当したのが、元・日本テレビアナウンサーの小林完吾氏。報道で鳴らした低音でクールな喋りは、戦争大作にふさわしい名調子だった。発売中のスタジオ・クラシックのDVD商品には、もちろんこの吹替版が収録されている。

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